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2019.07/07 高分子のプロセシング技術(16)

炭素と炭素とが共有結合でつながっている高分子では、昨日の考え方を少しイメージしにくいかもしれない。

 

しかし、原子の独立した球が結晶を構成している無機材料でこの概念を導入すると形式知を体系化するうえで都合が良い。

 

セラミックスの研究では、このような相関を意識して進められ、主に焼結体の構造と機能との関係、そして焼結体の構造と原料粉末の物性との関係などが20世紀に体系化された。

 

高分子科学が、主に高分子の重合研究、すなわちまず原料を製造するところから研究が始まり、合成された新規高分子についてその用途開発へ進んだ流れとは少し異なっている。

 

21世紀になるやいなや、「精密制御高分子プロジェクト」が5年間推進され、そのプロジェクトでは、強相関ソフトマテリアルという言葉が使われている。

 

これは、20世紀末に主に高分子材料あるいはその成形体で事業を営んでいるメーカーで、従来の高分子(ポリマー)設計手法を見直し、商品性能をターゲットにした材料設計手法を行うようになってきた技術の進歩を表現している。

 

そして高分子の高次構造だけでなくメソフェーズ領域も注目され、高分子材料を階層化してとらえて、物性との相関を調べてゆこうという動きが出てきた。

カテゴリー : 高分子

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