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2019.08/09 高分子のプロセシング(31)

このとき、添加剤の分散状態をどのように評価するのかが問題となる。よく行われる方法が、顧客と成形条件をすり合わせて、サンプリングしたコンパウンドの評価をその成形条件でテスト成形して確認する方法がある。

 

 

この時の評価結果が、うまく後工程の成形体の評価結果と相関がとれて品質管理できるならば、これは一つの方法として採用できる。

 

 

しかし、同じ成形加工条件でも機能がばらついたり、あるいは成形体のスペックが機密情報扱いとなっており、組立てメーカーの実験データがすべてコンパウンドメーカーに提供されない場合には、このような方法で品質管理していると品質問題を生じるリスクをコンパウンドメーカーは抱えることになる。

 

 

そこで、コンパウンドのままで後工程の製品である成形体の機能を予測するパラメーターを見つけ、それを用いて品質管理を行う努力がコンパウンドメーカーに求められる。

 

 

そのために、成形体の機能と相関するコンパウンドの因子を明確にする必要があり、これはコンパウンドメーカーにとって貴重なノウハウとなるが、その技術開発は大変難しい。

 

 

この技術には、顕微鏡観察技術、粘弾性測定評価技術、インピーダンス測定評価技術、ストランド形状での極限酸素指数測定評価技術に関する形式知以外のノウハウが求められる。

 

 

すなわち、形式知として知られた方法以外のトリッキーと思われるような技術まで必要となる場合がある。

 

 

このような技術をコンパウンドメーカーが獲得すると、混練条件の開発を次工程から独立して行うことができるようになる。また、次工程のばらつきについて、その原因と責任の所在を明確にできる。

カテゴリー : 高分子

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