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2020.04/17 試行錯誤(1)

コロナ対策は、都市封鎖など経済にダメージを与えるような手段を取らないように試行錯誤しながら進めている、とNHKの特番で語られていたが、20世紀には科学こそ命のような狂信的な科学者ばかりでこのような言葉を科学者から聞いたことが無かった。

 

21世紀になり、科学が成熟し、ようやく科学の方法に対する見直しを行うような動きが出てきた。マテリアルインフォマティクスもそのようなムーブメントの一つだ。

 

ところで、高純度SiCの前駆体を合成するときに、フェノール樹脂とポリエチルシリケートとのリアクティブブレンドを行う。

 

このリアクティブブレンドで問題となるのが、非相溶系を均一にどのように混合するのか、という点である。

 

有機高分子と無機高分子のブレンドであり、フローリー・ハギンズ理論のχは、反応の温度領域で1以上になる。フェノール樹脂の最大耐熱温度450℃までポリエチルシリケートが安定と仮定しOCTAでΧの温度依存性シミュレーションを行っても1より下がらない。

 

実際に液状のフェノール樹脂とポリエチルシリケートとをスタティックミキサーでブレンドしても組成比がばらついた不均一な液状物が出てくるだけだ。

 

剪断力によるブレンドでは粘度比が1を越えるとキャピラリー数が増大化し、微細で均一なブレンドが困難なことが知られている。

 

混練に関する教科書にはこのグラフが載っている有名な形式知であるが、2000年に推進されたNEDO高分子精密制御プロジェクトの成果によると、1000回転以上の高速剪断攪拌を行うとナノオーダーまで微細化されるという結果が示された。

 

生産用の二軸混練機ではこのような高速剪断攪拌が不可能なので、混練の教科書を書き直す必要はなさそうだが、科学の形式知とはこのような側面があることを学ぶ必要がある。

 

すなわち、従来の科学の形式知は、「できた」事実によりひっくり返るリスクが存在し、否定証明だけが唯一の完璧な科学の結論を導き出す方法だというイムレラカトシュの言葉を思い出すとよい。完璧な否定証明による科学の結論でも「できた」事実には否定されるのだ。

 

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