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2020.05/22 誠実に生きることの重要性

「誠実真摯に生きる」とは、ドラッカーの思想の根底にある重要な考え方である。彼はこの前提で資本主義社会の終焉と知識社会の到来を述べている。

 

また、高度の知識を持った労働者は、誠実真摯に働くことが求められ、一方で知識は可搬性があるので不誠実な組織から誠実な組織へ知識労働者は流れてゆくと述べている。

 

ゆえに経営者は誠実真摯でなければ企業経営ができなくなるので、リーダーは後継者選びに当たり、誠実真摯な人材を選ぶことがコツだと述べている。

 

誠実と真摯という言葉は抽象的であるが、当方のこれまでの人生で、ドラッカーがのべているような本当に誠実真摯で聖人とも呼びたくなる人は1名しかいない。

 

もっともドラッカーがどこまで完璧さを求めていたかは知らないが、人間は知らず知らずのうちに不誠実な行動をとっていたりする。それが極端になれば、社会にとって悪人となる。法に触れれば犯罪者となる。

 

今回のコロナウィルス禍では、使い捨てマスクが1つ1000円以上まで高値がついて売られた瞬間があった。定価販売された町の薬局では売り切れ状態が続き、インターネットオークションの転売が横行した。

 

しかし、多くの人はこれをやっている人を悪人とみなした。そこで政府は取り締まりの法律を作った。それでも法の抜け道を探り、マスクで儲けようとする人が現れる。誠実に生きることが社会で求められているのに、である。

 

また、不要不急の外出自粛が求められている中、東京高検の黒川弘務検事長が賭けマージャンをしていたという。3密の禁をマージャンごときで破ったことに驚くが、さらにこれは賭博である。

 

次期検事総長として余人に代えがたい人材と言われ、定年延長が議論されていた人である。池袋で母子をはねても、すぐに謝罪もせず逮捕されなかった元リーダーの老人が批判の対象になったりした。その姿には誠実さのかけらもなかった。

 

ドラッカーが誠実さでリーダーを選べ、と言い続けた理由は、ともすれば誠実さなど関係なく要領よく出世する人材がリーダーとなる現実を見てきたためでないか。

 

カテゴリー : 一般

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