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2020.07/24 50年という時間

初めてギターを購入してから50年ほど経過した。最初のギターは、友人が欲しいといったので譲渡し、当方は現在修理中のギターを6万円で購入した。

 

当時6万円と言えば、大卒の初任給に近い。二度のオイルショック後当方が入社したゴム会社の大学院卒初任給が10万円ほどといえば、その4年ほど前の大卒の初任給をご理解いただけるか。

 

とにかく当方にとって高額な買い物だったわけだが、そのギターの下腹部が中年太りのように膨らんだ状態になっていた。先日書いたように木材のクリープという現象の結果であり、このまま使用を続けたら、恐らく表板にひび割れが入ったのかもしれない。

 

この膨らみを修理して50年という時間をリセットしてみようと考えた。人生100年である。残り約40年の人生を生きるにあたり、過去をリセットするのは断捨離よりも重要だと思った。

 

さて、ギターの下腹部は順調にへこみ、クリープ速度から恐らくあと2週間もすれば使えるようになると思われる。

 

ギターの修理と同時にレコードの整理も始めた。断捨離目的ではなくもう一度聞きなおすためである。

 

ボブディランの風に吹かれてS&Gの曲がアメリカから渡ってきて、日本では同時期に流行している。当方はディランよりもポールサイモンの楽曲が好きだった。サウンド・オブ・サイレンスを映画「卒業」(注)で聴き、すぐにファンになった。

 

この映画「卒業」の音楽監督はクロスオーバーの旗手デイブ・グルーシンである。フォークソングと、ブルース、ジャズ混然と一体になったブームが当時始まり、フュージョンとかクロスオーバーとかのカタカナで音楽シーンが語られるようになった。

 

音楽がカオス状態で、ゴム会社に入社してカオス混合である。高純度SiCの事業を立ち上げて、それでサラリーマン生活を送るつもりでいたら、写真会社で高分子技術の責任者となった。

 

その傍ら学位をまとめたが、その内容は、高純度SiCを軸に無機高分子変性軟質ポリウレタン発泡体の研究やLiイオン電解質の研究と研究対象はカオス状態である。

 

うまくまとめることができたのは中部大学渡辺先生のご指導の賜物であるが、学位取得後すぐに福井大学客員教授となっている。

 

客員教授時代に負の誘電率がキワモノであることを知り、研究内容をZの絶対値でごまかしていたら、今はセミナーで負の誘電率を講義している。そして、またギターを弾きたくなった。

 

(注)初体験が恋人の母親、というショッキングな映画が当方の高校時代に流行している。この映画、数回映画館で鑑賞したが、主人公の親戚が「プラスチック事業を始めよ」と語る内容がベッドシーンよりも印象的だった。1960年代のアメリカはプラスチック産業で成功をおさめる人が輩出した時代である。映画音楽はS&Gの曲がふんだんに使われジャズがその隙間を埋めていた。

 

カテゴリー : 一般

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