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2020.07/31 多形

SiCの立方晶(3C)はダイヤモンド構造だが、様々な多形が存在する。3Cの結晶構造は2000℃未満1600℃以上の温度領域で生成し、低温度で気相成長させると2H型のウィスカーが得られる。

 

3Cの結晶構造の粉末にホウ素と炭素を添加し、2000℃以上で常圧焼結を行うと6H型の結晶へ転移する。

 

3Cは等方的であるが6H型は異方性であり、線膨張率が結晶方位により異なる。ゆえに常圧焼結体では歪が残ったまま室温で使用されることになり、靭性が低い。

 

不思議なのは、4Hや他の結晶系も得られてよいはずだが、トレース程度であり、2Hと3C、6Hの粉末X線回折ピークさえ知っておれば、この分野の仕事では事足りる。

 

昔SiCの多形について、16ビットのPC9801でシミュレーションを行ったが、100層まで行うのに1週間かかり、そのデータ量は、10Mバイト程度だった。

 

今の時代では大したデータ量ではないが、当時FDで10枚分である。プリントアウトしても帳票300枚前後使用している。

 

すなわち多形が大量に存在するはずなのだが、4Hが稀に現れるだけで、その他の多形は、めったに現れない。これは不思議なことなのだが、未だにわかっていない。

 

 

 

カテゴリー : 一般

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