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2020.08/09 コンセプト(4)

温故知新の理解能力と情報があれば、あとは汗を流すだけで新しいコンセプトを考案することは誰でもできるのだが、「汗を流す」ところが難しいのだろう。

 

汗を流せば塩分が出てゆくので、塩分の補給が重要となってくる。この時知識の補給ができる人とできない人がいる。

 

汗を流しているときに、多くの情報と接することになる。情報をただ眺めているだけではダメである。情報をまず分類することが必要になってくる。

 

既知の情報と実験により新たに生まれた情報とに分類する。この段階で知識が身に着くのだが、実験をどのように企画したのか、その実験をどのように観察したのか、その実験から得られたデータをどのように整理したのかにより、得られる知識の量が異なる。

 

せっかく英知を集めて企画された実験を行っても、情報を集めるだけで終わる人は多いが、そのことに気がついていない。もったいないことである。

 

実験の報告を聞くだけの立場になった時に、情報を集めるだけで終わる人の特徴を理解できた。今発達障害が話題になっているが、かつてアスペルガー症候群と分類されたような人は残念ながら実験で知識を身に着けることができない。

 

このような人には的確な指示を出さないと、実験結果の報告が単なる情報だけになっていたり、偏った情報で整理されていたりする。注意しなければいけないのは後者で、時として天才的な偏った情報整理がなされることがある。

 

それが正しい時には研究開発にイノベーションを引き起こすが、単なる偏見の時には研究開発を誤った方向に導く。

 

タグチメソッドはこのような問題を防いでくれるので助かるが、実験結果の報告が単なる情報だけになっている場合に、管理者が実験から知識獲得経験がない場合には、研究開発が無限ループに陥ったり、二律背反の壁に突き当たってもそれを超える実験を指示できなかったりする。

 

温故知新ができるかどうかは、研究開発の管理者あるいは担当者の自己評価に用いることが可能である。

 

松尾芭蕉は不易流行という良い言葉も残している。これは、どのような時代にも通用する古典的な考え方と時代の流れにより生まれる新しい価値観とを結びつけることにより、良い俳句を生み出せる、という意味だが、コンセプトを生み出すときにも言える。

 

実は、科学的に企画された実験において実験の場が異なれば、科学で解明されていない現象が現れることがある。ここでその現象に気がつくかどうかは、良い俳句を生み出すことと通じるところがある。

 

不易流行の理解ができれば、発達障害ではない普通の人であり、実験もうまくできるようになり、そこから新しい知識をどんどん獲得できるようになる。ただし、ほんの少しのコツが必要で、悩まれている方は弊社へご相談ください。

 

松尾芭蕉は、だれでもよい俳句を詠むことができると言っている。ただし温故知新や不易流行を正しく理解しなければいけない。俳句を詠むこととコンセプトを考案することは通じるものがある。

 

カテゴリー : 一般

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