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2020.09/02 企画を成功させるために(5)

プロジェクトが外部からコンパウンドを購入し成形技術だけを開発するのが目標となって進められているときに、コンパウンド会社の力量はプロジェクトの命運を左右する。

 

だから、コンパウンド会社は国内トップクラスのメーカーとプロジェクトを進めるというのは、一つの判断である。ところがトップクラスの技術力をもってしても解決が難しい問題に遭遇したらどうするか。

 

このとき、トップクラスのメーカーが誠実真摯な技術者集団であれば、難問に対して謙虚に対応してくれるが、誠実真摯な人間は少ない。

 

自分が誠実真摯か、と反省してみても結論を出せるものではないので、ドラッカーは誠実真摯に行動することの重要性を説いている。

 

「素人は黙っとれ」という発言をする人物は、誰が見ても不誠実である。しかし、これまでの経緯をよく理解していないと思われる人間からこれまでの努力を否定されるような話をされたならこのような暴言を吐きたくなる気持ちを理解できる。

 

結局、「それでは私がコンパウンド開発を始めるがよいか。」と同意を求めたら「勝手にやっとれ」となったので、これまでの流れの仕事はすべて課長に任せて当方はコンパウンド開発を始めた。

 

素材調達は外部コンパウンドメーカーと同じものを使用しなければならないので、その供給について承諾していただいた。一部は市販されていない材料で簡単な承諾が得られたのは助かった。

 

最後に二軸混練機のプラントをどうするのか、という難問が残った。見積もりをとったところ自動化ラインを1ライン立ち上げると3億円程度かかるという。

 

金額の問題だけでなく、二軸混練機の納期は8か月必要という回答が決め手となり、中古機を集めて自分でラインを組み立てることにした。

 

しかし、ここで新たな問題が発生した。二軸混練機について詳しい人材が社内にいない。結局自分で0から勉強しなければいけないので、10万円前後の高い本を数冊自腹を切って買い込んだ。

 

軍資金はたまたまゴム会社が旧無機材研に支払った高純度SiCの特許報償を無機材研の先生がくださるというので、それで購入した。ものすごく良いタイミングで勉強のための軍資金が入った。

 

混練セミナーにも参加したが、驚いたのはゴム会社で指導社員からご指導された内容とセミナーや技術書に書かれた内容は大きく異なっていたことだ。無駄な知識にお金を投じたことになる。

 

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