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2020.09/16 PPSの変性

PPSは、電子機器用高分子として売り上げが伸びている。欠点はその脆さである。結晶化しやすいので、容易に結晶成長し脆くなる。

 

押出成形でフィルムを製造すると金属音のような高い音を発するので、弾性率の高さを音で実感できる。

 

このPPSにカオス混合で6ナイロンを相溶させると、非晶質PPSフィルムを製造でき、その音色はボコボコと低い音となる。

 

PPSと6ナイロンはフローリー・ハギンズ理論のχの値が0より大きいのでスピノーダル分解するが、その速度は室温で3年以上と遅い。

 

また、スピノーダル分解したとしても生成する6ナイロンの島相はナノレベルなので、PPSと6ナイロンを通常の方法で混練したコンパウンドから作られたフィルムよりも靭性が高い。

 

PPSと6ナイロンのポリマーブレンドの基本特許は切れているが、カオス混合による変性技術の基本特許は、まだ6年残っている。

 

ただし、この特許抜けを可能とする技術が存在し、まだ出願されていない。ご興味のあるかたは問い合わせていただきたい。

 

カテゴリー : 電気/電子材料 高分子

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