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2020.09/20 現象を観る

現象を眺める視点は、科学誕生前と後では大きく変わった。科学誕生以前は、とにかく自然界に潜む機能をよく観察しようと、人類は現象を眺めてきた、と「マッハ力学史」には書かれていた。

 

たとえば、火の発見は、人類の進化の歴史において重要な出来事だったが、このヒントが山火事だった、と小学校の教科書に書かれていた。

 

すなわち、人類の生活に役立ちそうな奇妙な現象を見つけては、それを観察し、生活に導入してきた歴史がある。それを面白く描いた漫画「テルマエロマエ」は、文句なくおもしろかった。

 

ローマ時代の職人が、現代にワープし、観察したお風呂をローマ時代に再現するのである。電気やガスなど無いのに、ウオッシュレット付き水洗便所まで作り上げている。

 

科学誕生後、現象を眺める視点が変わった。仮説を設定してから現象を眺め、仮説との整合性を人工的な現象で確認している。

 

しかし、科学誕生以前から人類が続けてきた観察の姿勢は重要である。少なくとも技術者には、現象の中に新たな機能を見出す視点が求められる。それができなければ新技術の発明などできない。

 

仮説を設定してから実験を行う姿勢は科学者として大切である。しかし、実験で発生した現象を単なる仮説の検証の視点だけで見ていると、新発見を見落とすことがあるから注意が必要である。

 

仮説の検証とともにそこで機能の確認もできる実験を行いたい。タグチメソッドはその一つの方法である。

カテゴリー : 一般

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