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2020.11/04 科学に対する誤解

タイトルは技術に対する誤解とすべきかもしれないが、未だに科学技術と言われているので科学に対する誤解とつけてみた。

 

オーディオスピーカーという製品について、マニアを満足させる科学的なスペックを見出すことが難しいことを昨日まで書いてきて、創造のプロセスあるいは創造の方法が世間であまり議論されていないことが気になった。

 

もっとも弊社の問題解決法では、創造に力点を置いており、非科学的方法を合理的に行う手法について解説している。

 

ところが20世紀から今日まで世間で推奨されている問題解決法は、皆科学的論理を基本にしている。科学的方法で創造ができるという誤解である。

 

哲学者イムレラカトシュは、「方法の擁護」で否定証明の問題を扱っている。詳細は省くが、完璧な科学的証明と言えるのは否定証明だけ、というのが彼の見解である。

 

すなわち、科学的論理は「できること」の証明を不得意としており、創造のプロセスにはどちらかといえば不向きな哲学である。

 

これは当方のゴム会社を退職するきっかけになった電気粘性流体の開発で十分に学んだ。「それでできるはずがない」という否定見解が溢れていたのだ。メンバーは科学を高度な水準で身に着けていたメンバーばかりだった。

 

実は科学に忠実になると、できないかもしれないと感じたときに、創造することが使命にもかかわらず否定証明に流される高学歴の研究者が多い。

 

あるいは、論理に忠実になり、当たり前のことであることを忘れ、当たり前の結論を導き出して満足している場合もある。

 

すなわち創造のプロセスにおいて科学は必須ではなく、現象を正しく観察する姿勢が重要であり、その時科学的でなくてもただひたすら繰り返しよく観察することが重要だ。

 

そして非科学的と言われても妄想を思いめぐらすことこそ大切である。思考実験は非科学的とマッハは力学史の中で述べているが、それでも良いのだ。

 

カテゴリー : 一般

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