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2020.11/20 技術者の解放(7)

主成分分析は因子分析の一つで多変量解析手法である。ビッグデータからそこに潜む因子を容易に整理し導き出すことができる。さらに各因子の傾向について、データ群を説明できる序列まで示してくれる。

 

 

「界面活性剤を第三成分と呼べ」と命じられて一瞬目が点になったが、増粘した電気粘性流体と組み合わせた界面活性剤以外の市販されている界面活性剤のデータまで集めて主成分分析を行った。

 

 

すでにマイコンは8ビットから16ビットの時代になり、フロッピーディスク以外にハードディスクも普及してきた。MZ80Kで作成した多変量解析のプログラムをLATTICE社の C で書き直していた。

 

 

このLATTICE社処理系の良いところは、多数のライブラリーが用意されており、行列演算のライブラリーも当時安価に手に入った。独身時代に8ビットから16ビットに移行したので、自宅のパソコン環境はゴム会社の研究所よりも進んでいた。

 

 

さっそく自前のパソコン環境で界面活性剤データを主成分分析にかけたところ、70%の寄与率を有する強力な第一主成分が見出された。

 

 

主成分得点を精査したところ、界面活性剤のHLB値に相当する因子であることが分かったが、HLB値の第一主成分への寄与は80%程度であり、市販されている界面活性剤の機能をHLB値だけで説明できないこともわかった。

 

 

科学の教科書では今でも界面活性剤といえばHLB値であるが、界面活性剤を特徴ずける因子がほかにもあり、驚くべきことにそれが30%を超す寄与率を持っていた。

 

第一主成分と第二主成分の象限に各サンプルの主成分得点をプロットしたところ、いくつかの群に分かれ、そのうち最も大きな群は、第一主成分と相関するように広がっていた。

 

 

電気粘性流体の耐久性問題を解決できた界面活性剤は、この大きな群から外れたところの群に属し、その広がりには、第一主成分と第二主成分との相関は無く、独立した集団として存在していた。

 

 

得られた多変量解析結果は、界面活性剤のビッグデータを用いているので界面活性剤の統計的分類を示しているが、形式知的な界面活性剤と、形式知で説明できない界面活性剤が存在する、と読み解くことができる。

 

 

そこで、増粘した電気粘性流体を回復できた界面活性剤は、形式知で説明できない界面活性剤に属していたので、狭義の界面活性剤と第三成分という分類を行うことにした。

 

 

マハラビノスのタグチメソッドでも同じような解析が可能であるが、タグチメソッドは統計ではない、というのが田口玄一先生の遺言であるので、科学の世界では統計手法である多変量解析を使うことが正しい。

カテゴリー : 一般

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