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2021.01/01 製造業に期待したいこと

ドラッカーは30年ごとに事業の再定義の必要性を指摘していた。その意味は彼の著書を読んでいただきたいが、昨年から今年にかけては新規事業を起業するには大変良いタイミングだと思っている。

 

昨年あるお客さんから技術相談を受けたが、アジャイル開発で今年夏前には製品を出すくらいの覚悟で技術開発を行わないと失敗する、とアドバイスした。

 

その結果、当方は自分の首を絞めることになり、牛突猛進で元旦から仕事をしている。もっとも実験が趣味なので苦にならないが、お客さんがやるべき実験を秋葉原で調達したジャンク品を改良し昨年暮れから実験をしているので、コンサル料からみれば大赤字である。

 

しかし、お客様の実験の進捗が遅いので、アジャイル開発を行うためには、正月明けにプロトタイプを作る必要があり、赤字と分かっていても当方が走らなければいけない状態だ。

 

実験をやりながら、日本の製造業が科学に束縛される問題に気がついた。なぜなら当方の実験は、非科学的だからである。すなわち、機能確認を重視した実験であり、仮説設定などしていないので進捗は早い。

 

できるかどうかわからない、動作するかどうかわからない機能について、機能が発揮されるように試行錯誤で実験を行っているのだ。

 

科学のない時代の腕のある職人は、試行錯誤で新技術を開発していたはずである。科学者が登場したので、今の職人は、それをする必要が無くなった。

 

しかし、日本の製造業の現場には知識労働者と呼べるような職人がいる。もし、そのような人材を集めて新たな機能の製品を開発させたなら、研究所のスタッフでも想像できないような製品を創造するかもしれない。

 

例えば、退職前にカオス混合プロセスのコンパウンド製造プラントを半年もかけず立ち上げているが、その中心人物は腕のいいカメラの組み立て職人だった。

 

当方は中途採用の若者とこの職人を組み合わせたチームでマネジメントを行い、Wパーコレーションを制御したコンパウンドを生産可能なプラントを短期間に立ち上げている。

 

基盤技術も何もない会社で、アジャイル開発によりコンパウンドメーカーよりも優れたプラントを生み出したのだが、成功の要因は人材と絶妙なマネジメントにあったと思っている。事業の再定義を行う時に日本の製造業の現場には優れた人材がいることを忘れないでほしい。

 

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