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2021.04/16 ギターの進化

リーリトナーがギターシンセサイザーによるアルバムを発表したのは、20世紀末レコードからCDに移行した時代である。それ以前はCDとレコードの両者が共存しており、どちらか一方のメディアしか発表されない場合にはレコードが選択されている。

例えばリーリトナーの初期のアルバムは、すべてレコードだけで発表されている。ジェントルソウツとしてダイレクトカッティングされた演奏は、かなり時間がたってからレコードをデジタル化したCDとして発売されている。ゆえにこの時限定発売されたレコードは、今プレミア価格が付いている。ちなみに、この演奏で使用されたギターは、おなじみギブソンES335である。

ギターは、アメリカで音が大きくなるよう改良されクラシックギターからウェスタンギター(今のアコースティックギター)へ進化し、スチール弦が用いられるようになった。

今はアコースティックギターとエレキギターの二大分類かと思っていたら、アコースティックギターも電気化されて単なるアコギとエレアコの分類がなされ、後者が主流になりつつある。


アコースティックギターの王者はマーチン社で次がギブソンと言うのはもう昔話で、今は創立から50年も満たないテイラー社が圧倒的なシェアーを誇っている。エレアコの発明がシェアーの変化を引き起こした。


テイラー社のギターは安物かと思っていたらそうではない。100万円前後の高価なギターも存在する。実はハンドメイドだったアコースティックギターの製品精度を向上するために徹底して機械生産を始めたのがテイラー社だ。ゆえにテイラー社の安価なギターは、他社に比較するとどれも弾きやすく品質が安定している。

ギターの弾きやすさを左右するのはネックと弦高と全体の重量バランスである。これが5万円以下のギターではばらつきが大きい。テイラー社はそこに着目し徹底して生産プロセスの機械化を行っている。そのためネックとボディーの接合にもアリミゾ方式ではなくボルト止めである。高級品でもこの方式であり、ボルト止めを廉価版用の技術から精度を維持するため画期的技術として進化させた。

エレキギターの場合にはネックとボディーの接合は、ボルト止めが主流で高級品がアリミゾ方式となっているが、ボルト止めがコストダウンという目的よりも精度を実現する方法として普及しつつある。

ギターの構造の進化だけではない。アコースティックギターもエレアコ化が進み、すべてのギターが音を電気変換できるようになると、それを処理するプレアンプの進化が激しくなった。

コンピューター技術との融合でシンセサイザーは安くなった。そしてギターの音だけでなくアンプのシミュレーション技術も組み合わせられ、音だけを聴いているとどのようなギターで弾いているのかよくわからない時代となった。

なぜなら、ソリッドギターをエレアコにシミュレートすることができたり、他の楽器に変化させたりもできるのだ。そしてそのような機能を持った装置が5万円前後で買える時代である。30万円以上もするテイラー社のアコギを買う必要もない?

カテゴリー : 一般

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