活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2021.06/14 実験のやり方(2)

前回は、あまりにも簡単な例であるが、ゴム会社の研究所ではこの例のような仕事のやり方をしていると、主任研究員に叱られたものである。

目視や手触り感からアルミフォイルだと分かっていても物質を確認するためのさらなる実験を求められた。例えば初めて使用する試薬について、IRやUVなど一連のデータをとることを習慣づけられた。

品質検査書がついていても分析データを測定するのである。大学でもそこまでやっていなかったので、初めて命じられた時にはびっくりした。しかし、実験が好きだったので丁寧に分析をしていた。

日ごろ仮説に基づく実験を行え、と指導されていたので、「もし品質検査書が正しいならば、IRやUVはこうなるはずだ」と念じながら測定をしていた。

そして頭に描いたIRチャートが得られた時に、仮説が真であることを確認できた、と実感していた。これはこれで新入社員の訓練としてよいだろうが、働き方改革が叫ばれているときには真っ先に合理化対象とされる仕事だろう。

さて、物質Aが電池ボックスの修理に使える導体であるかどうかは、電流と電圧の関係を調べればその関係から明らかになる。例えば「もし物質Aが導体であるならば、オームの法則からV=RIに従う」という仮説を立てて実験を行う。

科学的に実験を行う、ということはこのような丁寧な実験の積み重ねで、一つ一つ真であることを確認しながら進めなければいけない。

カテゴリー : 一般 連載

pagetop