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2021.07/13 マテリアルズ・インフォマティクス(6)

グローバル市場で販売されていた同一品種のすべてのタイヤを集め、解剖して各種データを収集する。その集められたデータ群から、主成分分析を行い、世界のタイヤメーカーの製品設計の特徴を見出すことができる。


タイヤの中には、高速度安定性に注力して設計されたタイヤや、ぬれた路面の安定走行を狙ったタイヤなど、各種存在していたが、自動車のバネ下重量を軽く設計する必要があるので、すべての市販タイヤには軽量化因子が含まれてくる。


すなわち、商品品質とタイヤ性能を維持しつつ軽量に設計しなければいけないので、どのような軽量化因子をどのように組み合わせてタイヤを軽量化するのか、という情報は、各社のタイヤの設計思想が表現されたものと言える。


大量のデータを多変量解析し、軽量化設計思想という知を取り出す作業は、一つのデータマイニング事例である。ここでは、作業プロセスが科学の成果であって、そのプロセスで得られた知が科学の成果となる保証は無い。なぜなら大量のデータを他の時代に収拾しなおせば、異なる知が得られるかもしれないのだ。


ゆえにデータマイニングは科学プロセスを用いて技術成果を得る手法と言える。しかし、得られた成果がうまく機能するかどうかは、さらに異なる問題を含んでいる。ゆえに、タイヤの形にして機能の動作を確認し、それが品質を満たした時に初めて「技術が生まれた」と言える。


それではデータマイニングで得られた成果とは何か。それはヒューリスティックなその時代の解、一つの技術のアウトラインであり、新人研修発表で走行テストの完了していないタイヤを前にして、CTOが「大バカ者」と言われたのは、齟齬ではないのだ。これをパワハラと思われた方は科学と技術を正しく理解していないことになる。


いかなるハラスメントも今の時代は許されるものではないが、大勢の前で怒鳴られ気づくこともある。逆に同じことを優しく言われて、気づかないことがある。前者は一瞬プライドがつぶれる痛みを我慢する必要があるが、後者は無知をさらけ出して生き続け恥をかく覚悟が無ければ一生気づかない。


人間の感度は個々異なるゆえに実務の現場における社員指導には高度なスキルが求められる。昔は体育会系根性一発で良かったが、今は弊社にご相談ください。各種ハラスメントの体験豊富で転職経験も生かしたご指導をいたします。

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