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2021.08/20 ブリードアウト(2)

ブリードアウトを科学的に取り扱う時に高分子中の物質拡散を問題とする。そしてこの問題を解いてみると科学的な拡散法則に良くあてはまる。


仮に生データがうまくあてはまらなくても、係数をかけたり足したりするれば、拡散法則にのせることができる。そしてうまく拡散法則にのせることができたら、このかけたり足したりした係数に考察を加えてまとめる。


科学のお勉強にはこれで良いが、製品設計の立場では、無駄な努力となる場合がある。婉曲に「場合がある」と書いている。そうしないと世間には怒り出す人がいるからだ。


実務上では拡散法則よりもブリードアウトした状態を問題としなければいけない。もし、材料設計上不要なものがブリードアウトしていたならば、それを取り除くと問題解決できるが、そもそもそのような余分な添加剤を添加しているぼけた材料設計をしている技術者は、21世紀にはいないはずだ。


必要があって添加していたものがほとんどのケースでブリードアウトして品質問題を起こしているのだ。この時科学で凝り固まった頭脳の持ち主は、拡散速度が遅い代替材料を探そうとする。ケースによってはそれで問題解決できたように見える場合があるが、品質問題が発生する時間を遅らせているだけだ。


もっともお客さんが購入した店を忘れるぐらいの時まで遅らせることができれば、品質問題に気がつかず製品寿命とお客様が諦めるかもしれない。材料設計するときにお客様が諦める時間を予測して対策を打つような技術者は誠意が無い。


やはりここはお客様が製品を使い続ける限り品質問題とならない対策を考える様な誠実さが欲しい。どう考えてみても対策ができない場合には、お客様の忘れた頃に問題となるような対策をとらざるをえないが、その前に弊社に相談していただきたい。

カテゴリー : 一般

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