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2021.09/14 研究スキル売買

大学教授らによる「研究スキル売買」を行うサイトがあるそうだ。すなわち研究論文の執筆の見返りに料金を取る仕組みらしい。このようなことを考える大学教授が118名登録しているというニュース(毎日新聞デジタル版)に驚いた。

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当方がすべて企画し、実験装置も手作りにより論文としてまとめていた内容を勝手に自分の論文として執筆された先生がおられる。その先生には研究内容の説明をしたが、研究論文を書いてくれ、と依頼した覚えはない。

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ただ、学位内容を検討したいから研究内容を提出せよと言われたので提出したら、まだ未公開の内容について勝手に論文として出されたのである。

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ちなみにその先生には依頼していないので当方は料金を払っていないが、それ以外に他の先生から学位審査に関わるので奨学金を出してほしいと言われたりして、過去問題の束を下さったり論文を執筆するサービスなどあって楽に取得できたかもしれないけれど当方の思い描いた博士の学位審査の実体に幻滅し、その有名国立大学の学位審査を辞退している。

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研究論文数を稼ぐために自分が全然関わっていなかった他人の研究について、学位審査に託けて勝手に論文執筆する先生について憤りを感じていたが、論文の代理執筆で金をとる先生の出現に驚いている。

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しかし、これは論文執筆依頼者がいるという理由で、他人の研究を自分の研究のように勝手に論文執筆する先生よりは罪は軽いと思うが、やはりこれは法律に触れなくても犯罪行為に近いと思う。そもそも科学論文の執筆にゴーストライターは禁じ手である。

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科学や技術成果を発表するときにその内容は少なからず世界に影響を与える。何も世界に影響を与えないようなくず論文は、どんな三流紙でも受け付けないからである。

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出版不況の現代ではなおさらである。誰も読まないようなことが書かれた雑誌を有料で販売する出版社は無いだろう。ゆえに有料で販売されている雑誌の執筆者は常にその内容について責任を負う必要があるので、STAP細胞の時に捏造などが問題にされたのだ。

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当方の論文を勝手に書いた先生は、大変いい研究内容だから、と褒めてくれたが、大変いい研究ゆえにその先生は自分の名前をちゃっかりトップに書いておられる。

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確かに高純度SiCの新規合成法の研究は、当方が言うには少し恥ずかしいが、日本化学会化学技術賞はじめ多くの受賞をゴム会社が受けているので素晴らしい成果だと世間に認められた。電気粘性流体よりも受賞した数は多い。ゆえに自分の研究にしたかった先生の欲も理解できるが、研究者としてやってはいけない行為だ。

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他人の研究を勝手に論文にしたり、ゴーストライター、さらにはSTAP細胞における学位審査のごたごたなど、このようなことが公然と行われるようになった科学の時代について疑問を持ってほしい。当方も研究スキルを販売しているが、当方はゴーストライターのようなことを請け負っていない。(ゴーストライターは名前を出さないが、自分が関わっていない研究を勝手に自分の名前をトップに論文として執筆するのは、犯罪と同じであることを警告しておく)

カテゴリー : 一般

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