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2021.10/15 無機化学と有機化学

昨日音楽における固定度と移動度の違和感を感じたことから音楽教育についてその指導要領を見直してほしい、と一言書いたが、形式知にもそのような部分が存在する。


当方は、FDを壊され転職したという不幸からセラミックスから金属、高分子材料まで学習する幸運に恵まれた。学位論文の中心が高純度SiCの反応速度論だったので、高分子材料についても何かまとめたいと思っていたら、ゴムタイムズ社から「混練」について教科書を書いてほしい、と依頼されたので2年前ハンドブックとして上梓している。


この本では高分子の混練について知っておくべき知識を経験知と形式知を中心に分配混合と分散混合の体系を意識して(材料の変性を意識し、材料を中心として、分配混合と分散混合とは異なる視点で)まとめている。4500円とこの手の本としては安価であり、弊社にご注文いただければ、消費税と送料をサービスいたします。


さて、固定度と移動度に潜む違和感以上に違和感を感じているのは、無機化学と有機化学で議論される結晶や、拡散、混合に関わる現象についてその説明である。


自然科学において数学は現象を記述する言語のように例えられる。ゆえにそれぞれの分野で現象を説明するときには数学表現で行われるのだが、無機化学でうまく表現されていたものが有機化学ではうまく表現できないにもかかわらず、強引に当てはめられているような違和感を持っている。


無機化学ではイオン反応が中心になるので、原子の玉を仮定して議論を進めればよいので数学で表現しやすいが、有機化学では、C-C結合で一定の立体形状を持たない分子の引き起こす現象となり、数学表現が複雑化する。


これを取り扱いやすくするために粗視化したりして計算するが、その結果について固定度と移動度以上に強い違和感を感じているのは当方だけだろうか。この違和感のおかげで、写真会社では数多くの特許を書くことができた。ジョー・パスの枯葉において多くのアイデアが展開されている理屈と同じである。

カテゴリー : 一般

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