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2021.10/25 ペルチェ素子空調服

金曜日に公開したペルチェ素子を用いた空調服を開発した話の続編。この製品は5年前に企画されたらしいが、特開2020-97799が出願されている。弊社に顧客が相談に来られたのは昨年でこの特許の公開後である。


この特許は単なる町の発明家程度のアイデアであるが、この特許に基づき空調服を作成し評価したところ冷えなかった、それで弊社にご相談に来られた、という。


ペルチェ素子をご存知の方が特許を読めば、特許技術では体を冷却できないことをすぐに理解できる。熱伝導の機構を理解していない内容である。しかし、それでも製品を試作して確認しているところがすごい。


顧客はこの特許の出願人の一人で弊社に相談に来られた時に、この発明の何が問題なのかその場で解説し、コンサルをスタートしている。当方はインターネットでペルチェ素子を購入し、すぐに改良技術で実験を始め改良技術の成功を確信した。


そして昨年5月には、お客様がその技術ですぐにプロトタイプを作って評価して、冷えなかった空調服が冷えるようになったのでびっくりされた。そして某展示会にそれを出品し高い評価を受けたという。


相談されて実験を開始し3か月で技術ができたことになる。これまでの技術開発の経験で、3か月あれば何らかの結果を出せる自信があった(注)。


サラリーマン時代には大企業で実験環境が整ったところでの3か月だが、今回は実験環境をまず立ち上げる必要があったが、それでも3か月の完成である。老体に鞭打って実験環境を作り、特許出願までこぎつけた。


現在3件の特許出願を行っており、そのうち1件は出願時審査請求を行っている。本空調服に関心のあるかたは弊社へお問い合わせください。熱伝導の新コンセプトに基づく技術を紹介いたします。


(注)ゴム会社の新入社員の時に初めて担当した樹脂補強ゴムは、3か月で実用的な基本処方を開発している。その後担当したホスファゼン変性ポリウレタンフォームでは3か月で工場試作ができるレベルの配合を完成している。そして2か月後工場試作を行い、成功して始末書を書いている。この始末書に書いたホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームは3週間で試作レベルの処方ができた。高純度SiCの発明では、実験開始から3日で99%以上の純度の真黄色のSiCが製造されている。お手伝いで担当した電気粘性流体の耐久性の問題は一晩で技術を見出している。一晩の実験で見つけた界面活性剤を添加しただけで耐久性が著しく向上した。なお「界面活性剤では電気粘性流体の耐久性問題を解決できない」という否定証明の報告書がこの時出されていたことなど知らなかった。どのような科学的に完璧な否定証明でも「できる」という事実でひっくり返ることをこの時学んだ。ゴム会社で研究開発必勝法を作り上げたが、それにより開発速度が加速度的に上がることを実感できた。写真会社では、6か月後には製品を完成しなければいけない状況で引き受けた仕事で、成功している。この時は3か月でカオス混合プラントを立ち上げ、テーマ請負後3か月後に6ナイロンがPPSに相溶したフローリー・ハギンズ理論で説明できないコンパウンドを生産開始している。

カテゴリー : 一般

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