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2022.04/17 材料の破壊

お茶碗のようなセラミックス材料は、割れやすいというイメージがある。一方、ゴムは割れにくいというのが普通の感覚だろう。


ところが、ゴムでも架橋密度を上げて硬くするとセラミックスのように割れやすくなる。一方セラミックスにも部分安定化ジルコニア包丁のように割れにくいセラミックスも存在する。


この材料の割れやすさには、硬さとのトレードオフのようなイメージが存在する。すなわち、硬い材料は割れやすく、柔らかい材料は割れにくい、というイメージである。


硬さ、すなわち弾性率と割れやすさは、見かけ上このような関係となるが、割れやすさを支配しているのは、材料内部に存在する欠陥である。


材料をプロセシングにより成形体とする過程でどうしても欠陥をはじめとした不均一な構造が成形体内部にできる。不均一な構造の中で欠陥は、材料の割れやすさを大きく支配している。


弾性率の高いセラミックスや金属では、この欠陥と割れやすさの関係が比較的わかりやすく、線形破壊力学に基づく割れやすさの予測、すなわち材料の寿命について考えやすい。


しかし、高分子材料について割れやすさと欠陥の関係が分かりにくい。そのため高分子材料ではセラミックスや金属のように寿命予測が難しくなる。


高分子材料では欠陥と割れやすさの関係が分かりにくいが、それでも金属やセラミックスのようにやはり一定の関係が存在する。


ただし、高分子材料の壊れやすさでは、他の要因も欠陥同様に割れやすさと関係してくるのでそれが不明確となるだけである。

カテゴリー : 一般

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