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2022.07/03 Fラン大学

偏差値が低いFランク大学が話題になっているという。そして多くの記事で大学として意味があるのか、とコメントが書かれている。


まず結論を書いておくが、FランクだろうがAランクだろうが、大学は義務教育ではないので、その設立を文科省が認めている限り、そこで学ぶ意味がある、と思っている。


偏差値の高い大学でもレジャーランド化している日本の大学の現状を考えれば、Fランク大学でも十分にそこで学ぶ価値があると思っている。但し教員と学生の意識の問題についてはそれぞれの大学を見たことが無いのでコメントできない。


そもそも大学で「学ぶ」とは、そこに通う人の自発的行為であり、スタッフが優秀かどうかは別の問題である。スタッフより学生が優秀な場合もあり、スタッフが超一流でも学生に学ぶ意欲が無ければAランク大学でもその存在は無意味である。


「Fラン大学の問題」は、学ぶ意欲の無い学生の存在割合を議論すべきで、Aランクに属するとされる大学で学ぶ意欲のない学生が0とならない限り、記事に書かれた結論を支持できない。


学ぶ場とその機会の多い社会や組織の存在は国家の豊かさの象徴である。Fラン大学でも学ぶ場の一つである。


当方はゴム会社の研究所で科学と技術、および誠実と真摯さ、象牙の塔のような隠蔽体質の組織の問題などを12年間学び体験することができた。アカデミアよりアカデミックな研究所はゴム会社が豊かだったので存在できたのである。


ところで、STAP細胞の騒動では、一度学位を授与された研究者がコピペを理由にそれを剥奪されている。この時審査あるいは指導に当たった教員の責任が問われていない。


Aランクに位置する大学の出来事だが、事件の経緯を見るとお粗末である。このような大学で取得した学位に意味があるのかどうか。


当方は「Fラン大学の記事」で記載されたAランクの大学で学位を取得予定であったが、転職先からも奨学金を持ってくるように言われたために、胡散臭さを感じ辞退している。


しかし、学会の懇親会でその話をしたところ中部大学の先生から学位を改めて取得しなおしては、とお声をかけていただき、審査料8万円支払い、試験まで受けてフルコースの手続きで学位を取得している。


しかも、奨学寄付金を要求された大学で問題を指摘されなかった英文の学位論文をすべて日本語に書き直し、さらに3度修正されている。大変丁寧なご指導によるこの作業で自己の成長を実感できた。


学位授与式は9月だったので当方一人だったが、スタッフフルメンバー揃い、学長から直接学位を授与された。頭には大学が用意してくれた角帽と肩からはマントが、と感動的な学位授与式だった。


当方のような経験をすると、またSTAP細胞の騒動はじめトップ大学のごたごたのニュースを聞いたり、最近日本の大学は1校も世界ランクトップ10に入っていない(トップ20にも入っていない、という記事もある)現状を鑑みると、Fラン大学の問題は、底辺で足を引っ張りあっているような出来事に見えてくる。


弊社では「花冠大学」を別サイトでオープンしているが、スタッフが退職したのでこの数年更新していない。しかし、何故か訪問者は一定数来るので不思議に思っている。学ぶ意欲さえあれば、大学の偏差値など関係ないのである。


Aランクでも**のような教官のいる大学もある。また、世界ランクから見れば、日本にAランクの大学はあるのかどうか疑わしいような状態である。文科省は、もう少し頑張ってほしい。


大学の世界ランクが下がり、企業の技術レベルが下がり、給与がその結果下がり続けている、というサイクルになっていないといいが。企業の技術レベルを上げるために弊社は頑張っている。


大学では教えない技術を中心とした知の提供を目指している。形式知は、情報化時代にタダで入手できるが、経験知や暗黙知を容易に入手できないのは今も昔も変わらない。

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