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2022.09/16 ポリカーボネート基ポリマーアロイの難燃性能

ポリカーボネート(PC)とのポリマーアロイは20年以上前に研究開発が活発に行われ、主要な組み合わせについてその基本特許はすでに切れている状態だ。難燃剤メーカーや樹脂メーカーの技術資料を眺めると面白いことに気がつく。


すなわち、PCと他のポリマーAとのポリマーアロイコンパウンドの難燃性能は、LOIがPC>Aの関係にある時に、PCのLOIは低下し、AのLOIは見かけ上高くなる。


当然のことのように思われるかもしれないが、また、このような性質があるのでAと言う樹脂の難燃性能を改善したいときにPCをブレンドするという技術手段が選ばれるのだが、話は簡単ではない。


Aがナイロン系の樹脂の場合にはPCとのブレンドによりAよりもLOIは低下するのだ。これについて20年以上前に高分子学会で報告があったが、ナイロン樹脂とPCとの燃焼時における反応が原因として説明されていた。


PC/ABSやPC/PS、PC/PP、PC/PET等のLOIは、元のPC単体のLOIよりも低いが、ABSあるいはPS,PP、PET単体のLOIよりは高くなる。ゆえに化粧外観と難燃性能を得たい外装材ではよく用いられるポリマーアロイである。


ただし、この目的にナイロン系のポリマーアロイが用いられない理由は、組み合わせにより難燃性能が低下するため、と言う話はあまり知られていないようだ。

カテゴリー : 一般

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