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2022.11/22 データサイエンスとトランスサイエンス(5)

当方に全く高分子材料の知識がない、という理由で、毎朝3時間のレオロジーを中心とした講義が展開された。そこでは、ゴムの世界では形式知がほとんど通用しない話や、KKDを研究所では馬鹿にするが、最後はKKDで決断しなくてはいけない、ばらつきの問題など、多数のノウハウを説明してくれた。


仮説を立てて実験を行う問題も出てきた。研究所では学会発表のためにわざわざきれいにデータを揃えようとする問題がある、と指摘していた。すなわち捏造では問題となるが、ゴムの大きなばらつきを活用し、希望するデータが出るとそれを採用し、その他の変動した数値に言及しない作法があるという。


実はゴムのばらつきデータを解析してゆくと気がついていなかった因子や新しい機能が潜んでいたりする。この樹脂補強ゴムサンプルもそうだ、と言って見せてくれた。


そのサンプルは、当方の新入社員研究テーマのゴールだという。しかし、研究所内ではまだできていないことになっているから、誰にも言うな、と口止めされた。


そのできていないことになっている樹脂補強ゴムは、混練条件により、樹脂の海相が形成されたり、樹脂の島相が形成されたりするという。χが0ではない組み合わせであるが、相溶している可能性があるが、このような変化はまだ知られていない、という。


指導社員は偶然得られた、樹脂が海相を形成しているサンプルの粘弾性データを見て驚いたという。ダッシュポットとバネのモデルでシミュレーションした結果と同じになったという。その粘弾性データを防振ゴム開発担当者に見せて、研究企画となった、という。


最初に当方が行う仕事は、ロール混練の練習であり、この樹脂補強ゴムと同じ粘弾性データが得られるまで練習してほしい、と言われた。


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