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2023.05/17 パーコレーション

パーコレーションの数理モデルについては、1950年代から数学者たちに議論されてきた。すなわちこの分野のクラスター理論は60年以上の歴史がある。


コロナウィルスの感染シミュレーションもこの分野の成果であるが、おおもとはカリフォルニアで発生した森林火災の問題と言われている。


パーコレーションの閾値についてはn次元まで求められており、数理モデルとしては研究しつくされた感が強い。40年ほど前に出版されたスタウファーの教科書には、歴史も含め詳しい解説がまとめられている。


しかし、材料屋がこの教科書を読むと現象を具体的に把握しにくい。グラフで示されているので現象の振る舞いを納得はできるのだが、もう少し直感的なモデルは無いのか40年ほど前に教科書を読みながら考えた。


10x10x10のブロックを絶縁体高分子とみなし、この一部を導電性のブロックで置き換えてゆくモデルを考案し、プログラミングして動かしてみたところ、パーコレーションの振る舞いを再現できた。


非科学的なモデルではあるが、このモデルの考察で幾つか技術開発成果を出している。それをセミナーで公開しているので、一度このホームページのセミナー欄を見ていただきたい。


大型コンピューターの時代には、コンピューターを湯水のように使うことができなかったが、今はコンピューターを用いるコストがほとんどかからなくなった。


ゆえに、難しい方程式を解くことが要求される問題でも、コンピューターで直感的なモデルのプログラムを動作させて解くことができるようになった。これもDX進展の恩恵だろう。

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