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2023.06/11 腐ってはいけない

全仏オープン女子ダブルス3回戦で加藤未唯選手の不注意に返したボールがボールガールにあたり、対戦相手のスポーツマンシップのかけらもない直訴で失格となった問題は、その後同大会混合ダブルスで加藤選手の組が優勝する、というドラマチックな展開で終わった。


これだけでも十分なドラマだが、脚本家三谷氏は、「僕だったら優勝した瞬間に再びボールパーソンに向けて、ボールを打つ、そしてそれをボールパーソンがパッとつかむ、そのように書きますね」とTV番組の中で答えていた。


この全仏オープンの出来事には、様々な人が様々な視点でコメントを述べているが、実際のエンディングは、加藤選手とボールパーソンの笑顔の写真で終わっている。


脚本家はさらにそれを盛り上げるエンディングを提案しているのだが、今回の場合に脚本家のエンディングシーンでは、加藤選手がプロであることを忘れているように思う。


アマチュアならば脚本家のラストシーンは効果的かもしれないが、主人公がプロフェッショナルなので、残念ながらドラマチックなエンディングと言う評価を当方はできない。今回のようなボールパーソンとの笑顔による2ショットのエンディングが最高である。


ドラマの中にはエンディングの凝り過ぎですべてをダメにしているケースがある。今回のドラマでは、不運な出来事に遭遇しても腐らずミッションをやり遂げたことがテーマではないのか(注)。加藤選手の優勝後のインタビューにもそれが現れていた。


(注)現実はドラマではなく全仏オープンの運営の問題を改善しなくてはいけない事件である。失格となった選手が、混合ダブルスに出場できたのである。また、実際の現場をビデオで確認もせず一方的に相手選手の訴えで失格という一番厳しい結論を出したのである。

カテゴリー : 一般

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