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2023.06/21 コンパウンディングの不思議

カオス混合装置についていろいろと実験をしてきた。その中で配合が同一でもカオス混合の有無で全く異なる物性のコンパウンドが製造されることに注目している。

すでに本欄で書いてきたが、プロセシングの影響を受けるので配合組成と高分子物性は1:1対応の相関をしない場合がある。しかし、高分子の高次構造と高分子物性とは1:1の相関をすると説明してきた。

ゆえに、カオス混合装置使用有無で異なる物性のコンパウンドが得られる理由は、カオス混合装置で高分子の高次構造が変性されているからと説明できる。

しかし、このような説明は一般の二軸混練機の混練能力が不十分であることも示している。このような話をゴム技術者に話すと同意が得られるが、樹脂技術者の中には異を唱える人がいる。

もっとも、数十年前の古い論文にバンバリーとロール混練において、ゴムの繰り返し引張耐久試験におけるロール混練時間の問題を議論していた研究があるので、カオス混合装置の取り付けにより、二軸混練機単体よりも混練が進行する事実を説明できる。

それでもなお異を唱えた部下がいたので、カオス混合装置を取り付けない二軸混練機で4回ほど混練したコンパウンドと1回しか混練しなかったコンパウンドの比較を行い、混練回数が進行することにより動的粘度の周波数依存性が小さくなることを示して納得してもらっている。

この時カオス混合装置を取り付けた二軸混練機では、たった1回の処理で4回処理した場合よりも混練が進行していた結果が出ている。

カテゴリー : 一般 高分子

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