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2023.10/06 まず何から学ぶか(6)

電気粘性流体の事例は30年以上前の事例となるので、最近の事例を紹介する。理研で起きたSTAP細胞の騒動も実験者が統計学あるいはタグチメソッドを学んでいたなら防げたはずである。


理研所長は小保方氏を未熟な科学者と記者会見で述べ、小保方氏はコピペを理由に学位を剥奪された。この事件についてニュース記事から事実を拾い出して考察すると統計学とタグチメソッドの重要性を理解できる。


騒動が起きたときに、理研のある理事が、「誰か、一つでもよいからSTAP細胞を作れ」と命じた記事がニュースとなっている。

科学の方法にこだわるとこのような指示になるが、実験を正しく統計学に基づき行おうとするか、あるいはタグチメソッドで実行しようと考えたならば、まともな実験結果が得られる指導をできたはずである。そして自殺者も出さずにすんだ可能性がある。


また、余談となるが、ゴム会社の研究所で当方が電気粘性流体の耐久性問題をデータサイエンスで解決したときに、当方含め3人も同時期に転職するような事態となった。これがSTAP細胞同様の科学に関わる事件としてご理解いただけると思う。


全てを書きにくい事件であり、さらに暗い話となるのでこれ以上書かないが、科学者と統計学との接点では、このような事件が起きている。

データサイエンスを研究する場合には科学の方法となるが、これが現象の理解に用いられる時に、厳密には科学の方法とはならないことに注意しなければいけない。

そして実験結果が組織にとって有益であったとしても、科学的ではないという理由だけで常軌を逸した判断や行動をとる研究者やリーダーがいる。


詳細を省略するが、哲学者イムレラカトシュは、厳密な科学の方法は否定証明となる、科学と非科学の境界は時代により変わると述べている。


科学の方法について、それを唯一の方法として押し付けてくる人物が近くにいたら注意した方が良い。科学の方法についてイムレラカトシュが指摘しているように柔軟に対応したい。


科学とは何か、いろいろな見解があるかもしれない。例えば物理学者マッハは、マッハ力学史でニュートンの方法を非科学的と評価している。この時代には論理学が完成し、科学が生まれた時代と言われている。


科学という哲学を正しく理解できると、非科学の方法にも問題解決するための有効な方法がある、という見解を持つことができる。この時統計や広くデータサイエンスの手法を問題解決に活用しようと学びたくなるはずだ。

統計手法やタグチメソッド嫌いを実務の現場で見てきたが、科学の方法にこだわりを持っていた人ばかりだった。

カテゴリー : 一般

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