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2023.10/09 データサイエンスを実務で活用する(1)

「まず何から学ぶか」で統計手法の重要性をくどくどと体験を交えて書いてきた。その理由は、統計手法を実務で活用する、あるいは科学の手法で仕事をしてきた習慣にデータサイエンスの習慣も加える、ということに抵抗のある人が多いからである。


当方は1979年にゴム会社に入社したが、半年間の研修期間中と1年間50万円会社が支払ってくれて受講した日科技連の研修で、統計手法を身に着けることができた。


しかし、すぐに実務で活用できたとは言い難い。それだけでなく、強い意志を持たなければ身に着けた手法を使わずにサラリーマン生活を終えたかもしれない、と思っている。


その結果、データサイエンスの活用により問題解決のスピードが上がることや研究開発における大小の企画においてフロントローディングが容易になることなど様々なメリットを享受できなかった可能性がある。


当方は大学の教養部時代に統計学を6単位取得しているが、それでも統計学を研究に導入する自発的意欲はわかなかった。ゴム会社で「全社で統計手法を活用しているから、統計手法を身につけよ」と研修で指導されなければ、必死で実務に導入する意欲はわかなかった。


また、当時はデータサイエンスの黎明期で多変量解析が大型コンピュータの高価な統計パッケージ(車数台分の価格)として用意されていた時代である。それを1時間でも使えば、およそ1万円かかった。


ゴム会社に用意されていても使用している人は少数だった。タイヤ部門ではデータ整理こそ分散分析が行われ統計手法で吟味されていたが、データサイエンスまで普及していなかった。


研究所では統計手法を実務で使うどころか、馬鹿にしていた。さらに積極的に使おうとしている人たちをいじめていたのである。当方も実験計画法により最適条件を外すとサービス残業で仕事をやれ、と上司からも言われたりした。研究所は、各種ハラスメント以外に会社方針も無視して活動する、そのような時代だった。

カテゴリー : 一般

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