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2023.11/09 高分子の劣化問題

フィルムカメラはペンタックスを学生時代から愛用し、MZ-SとMZ-3を2000年頃使用していた。ちょうどデジタル一眼レフが出始めのころである。C社とN社の開発競争が話題になっており、ペンタックスは蚊帳の外だった。


そこでデジタルカメラは某社に決め、レンズ資産を考慮し、ハイアマに人気が高かったフィルムカメラ**を使い始めた。すなわちこの頃3台の一眼レフを使っていたが、使用頻度の高いのはMZ-Sだった。


**の使用頻度は低く、防湿庫に眠っている時間が長かったのだが、ある日フィルムカバーとなる裏蓋フックが壊れているのを発見した。樹脂製のフックであり、クリープ破壊であることはフラクトグラフィーから明らかだった。


すなわち、設計ミスである。サービスセンターにクレームを入れたら、10000円以上の出費となるというので修理をあきらめ、当方のセミナーで事例として使わせてもらうと許可をとった。受付担当者は親切にも許可してくれた。


さて、ほとんど使わなかったカメラの裏蓋フックが経時で何故壊れたのか。これはセミナーで解説するが、御巣鷹山の墜落事故でも活用されたフラクトグラフィーで推定できるのだ。そしてそのような破壊機構を知っておれば防ぐこともできたのだ(ちなみにペンタックスカメラは金属製で壊れたことが無い。(注))。ゆえに設計ミスとサービスセンターでも告げている。


タグチメソッドを使用しておれば防ぐことができた品質問題であり、F100が設計された時はちょうどTMが普及し始めた頃である。


興味のあるかたは是非下記セミナーに参加していただきたい。

日刊工業セミナー

11/13 樹脂・高分子材料の劣化・破壊のメカニズムとその寿命予測法(大阪)

https://corp.nikkan.co.jp/seminars/view/6839

(注)ペンタックスを50年愛用しているが、品質問題を一度も経験していない。今はリコー社のブランドとなったが、高品質を低価格で供給する良心的なメーカーが無くなるのは寂しいことである。せめてブランドだけでも永遠に残ってほしい。最近はK3を使っている。ちなみに性能がダントツの某社デジカメを2種とミラーレス2種をこの20年近く使用したが、高速連射ができたカメラでミラーが暴れる品質問題に遭遇した。これは購入から1年経っていなかったので無償修理、またミラーレスでも無償修理の品質問題にあっている。性能が高くてもロバストの低いカメラではシェアーを落とす。やはりTMを使うべきだろう。

カテゴリー : 一般 高分子

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