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2024.01/08 形式知を学ぶときの注意

数学の教科書ではあまりひどいものを見かけないが、専門書では形式知を丁寧に扱っていない乱暴な書籍がある。また、科学評論家の書いた書物における形式知になるともっとレベルが下がる。


引用先も書いてない。あたかも自分の見解のように書いている場合もあり、びっくりする時がある。有名な形式知については、その発明者なり発見者の名前なり引用先を書くべきである。


実務に近い経験知ならば、それなりの表現をして形式知との区別をすべきである。経験知を形式知のように、あるいは形式知と経験知を混ぜて論理展開してはいけない。そのようにしたい場合には、経験知が入っている不確かさを書くべきである。


ある大学の先生が書かれた再生材の論文で大きな誤りを見つけた。学術誌ではないのでそのまま掲載され、インターネットに公開されている。


内容は、高分子再生材を二軸混練機で混練すると物性が劣化した成形体が得られるが、ある装置を二軸混練機の先に取り付けて混練すると物性が回復するという内容である。


この件について、引用先も先生の名前も書かないのは、当方の教科書を読まずに書いた論文であることが明白で、大学の先生としてあまりにも恥ずかしいことだからである。当方がゴムタイムズ社から出版させていただいた混練の教科書を読めばこの論文の問題点に気がつく。


国からの研究費も頂いて進められた研究だが、不勉強のまま論文を書いたらしい。再生材関係の研究をされている方は、当方のセミナーを受講するなり、あるいは当方の著書で勉強するなりしていただきたい。


また、納税者としてこのような不勉強な先生に大事な税金を投入しないでいただきたい、と願っている。ちなみに、「ある装置」とは当方の開発したカオス混合装置の変形品である。


早い話が他人の技術のパクリの論文と誤解するが、その内容を読むとパクリではなく不勉強な世間知らずの大学の先生の自己満足な論文と気がつく。


数年前、高分子学会から招待されて1時間当方は講演をしているので、高分子学会員ならばご存知の技術のはずだ。


かつて、学位を出すからと言ってきた有名大学の先生が、学位論文のために当方が用意していた研究のまとめから、当方の許可を得ず勝手に論文を出している。


この経験に比べれば軽微な被害である。ちなみに、その大学からは奨学金の提供まで要求されたので丁重に交流をお断りし、中部大学で学位審査していただいた。30年以上前のくだらない体験まで思い出した。

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