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2024.01/11 企画

40年以上前に起きたセラミックスフィーバーの時に、ゴム会社の研究所では数千万円かけて調査を行ってそこから何も生み出せなかった。


当方はその時に高分子から高純度SiCを製造し、半導体治工具事業を提案している。ところがこの提案は、何度もボツになって、最終的に無機材質研究所で実験を行い、そこから基本特許を出願して初めて会社が動き出している。


この無機材質研究所における実験にしても、「あなたが推進したい新規事業は何か」という留学中に受けた昇進試験の問題に提案していた企画内容を解答し、0点をつけられてその機会が生まれている。


人事部から無機材研所長室に昇進試験の結果が届き、所長から1週間だけチャンスをあげるから、昇進試験の内容を実験して見なさい、と言われ、実験を4日間行い、研究として完成(当方の学位論文の半分はこの時の不眠不休の研究である。)させている。


スタップ細胞と同様の騒動でも起きそうなできごとであったが、無機材研所長は賢明な方であり、粛々と調整を進めてくださって、ブリヂストンで新事業として立ち上げることができた。


そして住友金属工業とのJVとして事業の形になり30年ブリヂストンで事業が続いた後、コロナ禍直前に愛知県のセラミックス会社へ技術移管され、今でも事業として続いている。


お金をかけたから良い企画ができるわけではないのだ。時代を読み、未来のあるべき姿を描いて初めて企画の方向が定まる。詳細は弊社へ問い合わせていただきたい。新事業の企画ノウハウを伝授いたします。


(注)ブリヂストンの研究所は大変優秀な人が揃っており、科学的に完璧な仕事を求めていた。SiCの半導体特性は発見されたばかりで、パワー半導体について夢の夢として否定された。そもそも高分子から高純度SiCができるのは当たり前だが、経済的な前駆体など不可能、といわれた。安価なフェノール樹脂とポリエチルシリケートとのポリマーアロイを提案していたのだが、フローリー・ハギンズの理論をもとに否定された。アホとまで言われている。しかし、リアクティブブレンドで再現よく安定に安価なSiC前駆体合成技術の可能性があったので、企画として提案し続けた。非科学的企画とブリヂストンで否定されたが、無機材研所長は夢のある企画として1週間だけチャレンジしてみなさいとなった。このようなMOTが40年前から求められている。


情報化時代に、誰も知らない年商10億円以上の事業に関する情報を探すことができる、と考える矛盾に誰も気がつかない。有名な大学に高い金を支払えば、独占的情報を得られると誤解している。輝かしいキャリアの人物が言うことならば、何でも正しいと信じてしまう。他力本願では質の良い情報が得られない。失敗のリスクがあっても可能性があればチャレンジして初めて独創の種が得られる。いつの時代でも独創の新技術を生み出すコツの一つである。

カテゴリー : 一般

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