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2024.02/26 ブリードアウトの対策

高分子材料の製品で購入してから1年以上経つとべたべたしてくるトラブルがある。昔は、塩ビ製のバッグでこのような製品が多かった。


最初は部分的にベタベタしているだけなので汚れだと思いふき取っていたら、全体がべたべたし、気持ち悪くなって捨てた、という体験は無いだろうか。


コンピューターのマウスで高級品には手触りが良いようにラバーがついていたりするが、これがべたべたしてきてホコリがつき、汚くなってドブネズミになった体験がある。


無線で玉無しで使いやすかったのだが、手触り感が悪く2年も使えなかった。ブリードアウトは高級品でも起きるのである。高分子材料には製品に求められる機能に合わせ添加剤が処方されるが、これが染み出してくる現象であり、どの高分子材料でも起きるトラブルである。


室温で液状の添加剤を大量に用いると必ず起きるので、材料設計段階で添加量の調整とSP値の検討がなされる。室温で固体でも融点が室温付近にあると起きる場合がある。


ブリードアウトの対策では、SP値の選択と量の最適化以外にブリードアウトしてもべたべたしないようにごまかす対策がとられる。マトリックスの高分子に反応させる方法もあるが、マトリックスにより制約がある。


3月に技術情報協会主催のゴムとプラスチックのトラブル対策に関するセミナーがあり、このあたりも少しお話しする。講演者割引があるので問い合わせていただきたい。

カテゴリー : 一般 高分子

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