2024.08/28 9月Webセミナーのお知らせ
9月に下記WEBセミナーを開催します。開催時間は10時から16時で12時から13時はお昼休みとなります。なおテキストは電子ブック形式で配布いたします。
費用:
テキスト代込参加費用:3万円(税込)
①.高分子の劣化と寿命予測
開催日:
9月4日水曜日(申込締切9月2日)
9月13日金曜日(申込締切9月11日)
概要と目次(クリックで開く)
樹脂・高分子材料が化学変化で劣化すると仮定して、その寿命予測はT-t線図によるアレニウスプロット法で行われるのが一般的である。
また、物理変化を仮定した場合には、過剰変形や高温加熱などの促進試験を行う。市場での劣化は、化学変化や物理変化が同時に進行すると仮定して、この両者の結果から製品寿命を予測する。
しかし、市場での複合変化を実験室で独立した事象として実験している矛盾に気がついておらず、アレニウスプロット法は信頼性に欠ける手法といわざるを得ない。
そこで、化学変化も物理変化も可能な独自の寿命予測法をノウハウとして品質評価試験に採用している企業もあるが、それでも品質問題に悩まされるのが実情である。 本セミナーでは、実際に講師が体験した高級フィルムカメラの裏蓋の破壊事例をはじめ、複数の事例を基に、樹脂・高分子材料の劣化や破壊について基礎から説明するとともに、ワイブル統計の活用法についても説明する。
また、数年前から大学でデータサイエンスの講座設置がブームとなっている状況を鑑み、マテリアルズインフォマティクスの概説も行う。
<対象>
(1) 高分子材料開発を担当する技術者
(2) 高分子材料の品質管理を担当する部門の担当者及び管理者
(3) 製品設計を担当する技術者
(注)高分子物性も含む高分子材料の基礎事項も説明しますので高分子の専門知識が無くても役立ちます。
<目次>
1.固体の破壊力学
1.1 破壊とは
1.2 材料力学と破壊力学
1.3 Griffithの理論
1.4 線形破壊力学の要点
1.5 フラクトグラフィー
1.6 ワイブル統計
1.7 事例:セラミックスの破壊解析
2.高分子の破壊
2.1 高分子概論
2.2 高分子の破壊機構
a.エラストマーの破壊力学
b.クレイジング
c.事例:ポリ乳酸
2.3 高分子の劣化機構
a.化学劣化
b.物理劣化
2.4 ケミカルアタック
3.高分子の寿命予測
3.1 寿命予測概論
3.1.1.アーレニウス式による寿命予測
3.1.2.多変量解析による簡便法
3.1.3.ラーソン・ミラー型による寿命予測
3.1.4.寿命推定試験
3.2 事例:免振ゴムの品質保証
3.3 事例:寿命予測の失敗例(高級カメラの事例)
3.4 事例:ゴムローラの初期故障
4.マテリアルズインフォマティクス
4.1 データマイニングについて
4.2 事例:組立メーカーのクレーム解析
(コンパウンドメーカーの立場で解析)
4.3 タグチメソッド
5.まとめ
②.高分子の難燃化技術の体系と最近の動向
開催日:
9月6日金曜日(申込締切9月4日)
9月18日金曜日(申込締切9月16日)
概要と目次(クリックで開く)
火災は、急激に進行する酸化反応である。非平衡下の科学が未だ研究段階であり、高分子材料の難燃化技術を科学の形式知だけで開発できない。形式知で解決できない問題は、経験知や暗黙知まで動員して解決することになる。すなわち、科学で解決できない高分子材料の難燃化技術では、高分子材料の用途に適合した難燃化規格を定めることにより、問題解決できるようにしている。
しかし、高分子材料の用途は様々であり、ひとたび火災が発生すれば用途ごとに燃焼のリスクだけでなく燃焼時の現象も様々となる。このことから難燃性の規格は、用途ごとに決める必要性があり、その結果測定法も様々となり、不定期に改定される規格も出てくる実情を納得できる。
高分子材料の成形体を購入する立場であれば、納入業者に規格に合格しているかどうか確認すればよい。ところが、多種多様の業界に製品を納入している成形体メーカーは大変である。それぞれの業界ごとに製品が規格に合格するのかどうか確認しなければいけない。ここで手を抜く担当者は、材料メーカーにそれを求める。その結果、高分子材料の業界では、コンパウンドメーカーが難燃化技術の開発をしなければいけなくなる。
コンパウンドを難燃化するときに、最もよい難燃化手法を探すことになるが、「最もよい方法」を客観的に評価するには、それが科学的に証明されなくてはいけない。
かつて元名古屋大学武田教授がこの問題にチャレンジされ、ハロゲン系化合物と三酸化アンチモンの併用が最も経済的で様々な高分子材料の難燃化に有効である、と「科学的に」結論を出されている。この結論が、形式知になりうるかどうかコメントを控えるが、技術の視点では、一つの結論と評価できる。ただ、唯一の形式知という評価としないのは、高分子材料の種類やその用途により、経済的な難燃化手法が異なる現実があるためである。
難燃性高分子を目指し、耐熱性高分子が1970年代によく研究され総説も発表された。耐熱性無機高分子であるポリホスファゼンはプロセスに依存しない難燃性高分子だが、フェノール樹脂のように合成条件で難燃性が大きく変化する耐熱性高分子もある。すなわち、耐熱性=難燃性と科学的に結論できない。
この耐熱性高分子の研究過程で熱分析手法が発達したが、科学的に怪しい論文も存在する。しかし、TGAで得られるデータが高分子の熱分解における反応速度の情報を示してくれるので、難燃性高分子材料を開発するときに技術として利用できる。すなわち、TGAをどのように活用するのかは、難燃性高分子材料の開発において一つのスキルである。
本セミナーでは、フェノール樹脂を事例に高分子の耐熱性と難燃性について概説する。また、熱分析手法を用いた開発事例を説明し、新たな難燃化技術を開発するヒントを示す。さらに、2022年に施行された法律により再生材の活用が本格化している実情を踏まえ、再生材の難燃化技術の事例も解説する。
高分子の難燃化技術は、トランスサイエンス(注)でありその問題解決にデータサイエンスは有効な手法の一つであり、Pythonによるディープラーニングによる回帰の結果についても言及する。
(注)科学で問うことができるが、科学で答えることのできない問題。
<習得できるスキル>
高分子の難燃化手法
高分子の難燃化技術と環境問題
データサイエンスの活用方法
<対象>
高分子材料開発に関わる技術者及び品質管理担当者
製品組み立てメーカーの技術者
日本の再生材事業者
<内容>
1.火災と高分子
1.1.高分子の難燃化技術研究の歴史
1.2.事例:フェノール樹脂の難燃性
1.3.高分子の耐熱性と難燃性
2.難燃性の評価試験法
2.1.高分子材料の用途と評価試験法
2.2.極限酸素指数法
2.3.UL94評価試験法
2.4.その他の評価試験法
3.高分子の難燃化手法
3.1.高分子の難燃化メカニズム
3.2.ドリップ型難燃化手法
3.2.1.再生PET樹脂射出成形体
3.3.炭化促進型難燃化手法
3.3.1.ホスファゼン変性ポリウレタン発泡体
3.3.2.ホウ酸エステル変性ポリウレタン発泡体
3.4.難燃化手法とプロセシング
4.難燃化技術とデータサイエンス
4.1.データサイエンス概説
4.2.タグチメソッド概説
4.3.難燃性コンパウンドの工程問題解決事例
5.難燃化技術と環境問題
5.1.環境問題の変遷概論(3Rから4Rへ)
5.2.各種法規制と難燃化技術
5.3.難燃性半導体ベルトのLCA
6.難燃化技術の特許出願動向
7.まとめ
③.生成系AI(ChatGPTなど)を業務に活かすコツと、初めてのPythonプログラミング
開催日:
9月11日水曜日(申込締切9月9日)
概要と目次(クリックで開く)
ChatGPTの登場で生成系AIに注目が集まっている。知識労働者の実務がAIに奪われそうな勢いを伝えるニュースの中で、事務文書だけでなく結婚披露宴の祝辞までAIに作らせた話題を語られても、何故か笑えない若いサラリーマンは多いのではないか。
イノベーションのスピードが加速している。100年後は不明だが、AIが人間の作製したデータとアルゴリズムで動作している限り、現在のAIに難しい業務が存在する。それは、「何も課題の設定されていない状態で始めるデータの処理」である。この意味の詳細はセミナーで説明するが、日々の実務では、そこで見出された問題から課題を設定して仕事を始めていることに着目していただきたい。「正しい問題を見出す作業」と「課題設定作業」は、現在のAIでは難しい。ドラッカーでさえ、「正しい問題を見出す作業は難しく、それができれば、問題解決の80%はできたことになる。」と述べている。
すなわち、「課題設定作業」や、科学で求められる「仮説設定作業」は、人間がしなければいけない仕事として残り、仕事の成果は、AI登場以前同様これらの作業の品質に左右される。
本セミナーでは、社会基盤にAIの実装が始まった実務のあり方を想像し、問題を解決するためにデータ処理で常識となりつつあるPythonプログラミングを事例に、AI活用方法を解説するとともに、課題設定の方法やその基になるアイデア創出法を講義する。
情報が溢れるインターネットの時代に、ビッグデータを処理するデータサイエンスも身近になっただけでなく、自由自在にデータ処理を可能とする無料のPythonプログラミング環境も充実してきた。そこに生成系AIが登場し、これら新技術により知の獲得について変革が起き始めた。先端のITスキルを身につけることで実務経験の浅い若い人が活躍できる社会になった、と前向きにとらえ、入社3年目レベルまでの若い社会人を対象に内容を構成している。実務経験が豊富な人が受講されれば、今後の実務のイノベーションの方向を知るセミナーとなる。
対象:入社3年目までの若手技術者、生成系AIの実務導入を検討されている管理職
<セミナー内容>
1.緒言
1.1.AIブームの歴史
1.2.生成系AIの歴史
1.3.生成系AIの動作
1.4.データサイエンス経験談
2.AIブームと社会の変化
2.1.コンピューターの登場と知識労働者
2.2.科学と非科学の歴史
2.3.科学と技術
2.4.データサイエンスと科学
2.5.コンピューターによる問題解決とは。
2.6.第三次AIブームから社会実装へ
3.オブジェクト指向と問題解決法
3.1.日々の業務は問題解決である。
3.2.コンピューター言語とオブジェクト指向
3.3.オブジェクト指向とPython
3.4.オブジェクト指向とアイデア創
3.5.アイデア創出法とデータ収集
3.6.データと数理モデル、グラフ
3.7.データとヒューリスティック
4.Python入門
4.1.Pythonの概略とAI活用の仕方
4.2.Pythonの文法
4.3.簡単なプログラム事例
4.4.Pythonプログラミングのヒント
5.まとめ:情報の時代
受講を希望される方は、ご希望のセミナータイトル及び日時を下記フォーラムからお知らせください。
送信時に不具合等が起きる場合はinfo@kensyu323.comまでご連絡ください。
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