2024.12/14 科学で大切なこと
論理学の完成で科学が誕生したと言われている。また、その少し前にワットの蒸気機関の発明で産業革命が起きていた。そして、その産業革命は、科学により加速され、現在に至るまで人類史で稀に見る大きな変革を成し遂げた。
この大きな変革のなかで、さらに4-50年ごとのイノベーションが起きており、DXあるいは第三の波と呼ばれているこの数十年のイノベーションは、産業革命の総仕上げと言われたりしている。すなわち、今という時代は産業革命に続く次の発展の準備の時である。
そのような視点で見ると第一次AIブームから第三次AIブームへのイノベーションが、まさしくそれにあたるのではないかと気づく。この気づきは重要である。
似非科学評論家が1980年代に跋扈したため、科学という哲学が訳の分からない状態になっている。科学は論理学の誕生とともに成立した、と最初に書いたが、これはマッハ力学史から引用している。
そこには、仮説設定し帰納的に論理を展開し真となった形式知を積み重ねてゆくのが、本来の科学の姿勢と述べられている。ニュートンさえも非科学的思考展開という厳しい評価である。
ただ、そのようにして明らかにされた形式知の体系が貧弱な場合には、形式知だけで目の前の問題を解くことができないので経験知も使用したりして技術を開発してゆく。
科学的に開発された技術とは、この行為が厳密に行われたものであって、経験知とか形式知とか認識せずに味噌糞一緒にして開発された技術は、わざわざ科学的と名のる必要はなく、技術であることを堂々と主張すればよい、と思っている。
「技術の日産」は子供のころから聞きなれたフレーズで、好きである。科学、科学と叫ばれていた時代から、あえて「技術の日産」と主張するには勇気がいったであろうと思う。
e-Powerは、科学的に考えたらトヨタのハイブリッドに燃費で負ける。しかし、街乗りでは、互角の燃費となる。それだけではない。スバルの水平対向エンジン顔負けのスムーズなきびきびとした走りである。
小さなエンジンで2000cc級のエンジンと同等のパワーが得られたりしているところもすごい。この点はあまり知られていないが、オーラの乗り味は2000cc以上のエンジン車のような感覚である。これは、科学の成果というよりも工夫による技術の成果である。
カテゴリー : 一般
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