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2025.02/17 逆向きの推論(3)

この逆向きの推論については、第一次AIブームの時に研究されている。そして、有機合成分野では、コーリーが逆合成という考え方を提唱し、第二次AIブームでは、それがエキスパートシステムとして登場している。


コーリーの総説も1980年ごろ発表されるのだが、第一次AIブームは1960年末から始まり、コーリーの最初の提案は1970年代初頭に行われている。


そして逆合成の考え方を実現するために、多くのシントンを合成する手法がブームとなっている。すなわち、逆合成を実現するためには、逆向きに考えられた多くのシントンについて、合成できなければいけない。


その結果多数の有機合成反応が開発され、その機構も明らかにされて、有機合成ロジックは形式知として1990年代に完成する。これが有機ELの発明にも寄与し、液晶から有機ELへの変革は急速度で進んだ。


第一次AIブームの日本へ与えた影響は情報工学という分野について大学学部新設ブームを促すにとどまっている。当方も学生時代であり、論文を読みシクラメンの香りについて逆合成で行って卒論とした程度である。


コーリーはノーベル賞を受賞するがAIの成果ではなく、プロスタグランジンの全合成という成果である。もっともこれが成功したのは、逆合成の成果であるが。


第二次AIブームで日本は国研をスタートしているが、ピンボケの結果に終わっている。TRIZもブームになっているのでご存知の方もおられるかも知らないが、科学の時代真っ只中の日本の状況で無駄なブームだったと思っている。アメリカではトランスサイエンスやインターネットの研究が行われていた。

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