2025.07/26 バンバリー
化学工学で低粘度の、例えば水の撹拌機の研究は、20世紀に完成しており、シミュレーション技術もかなり精度の高いソフトウェアが存在する。
ラテックスの合成や酸化第二スズゾルの開発では、アイデアを練るために活用し、その精度に驚いた。しかし、これがゴムなどの高粘度の撹拌機になると、途端に話が変わる。
未だ二軸混練機のシミュレーターで良いものが無い。しかし、スクリュー開発では十分に役立っていると聞くので、スクリュー技術を疑っている。
様々なニーディングディスクやローターが作られたが、バンバリー+ロールのプロセス以上の混練を進めるスクリューに出会ったことが無い。
ところで、このバンバリーについては誤解があり、密閉型ニーダーと混同されている方がいる。もっとも装置メーカーのカタログを見ていると、バンバリー型ニーダーなる装置が載っていたりするのでめまいがする。
バンバリー社が作った密閉型ニーダーをバンバリーと呼び、歴史的に唯一の装置である。進化した現代のニーダーとは、スクリュー形状やオイルシールの構造が異なる。
バンバリーでカーボン配合を混練すると軸受け部分からカーボンの微粒がガスのように吹き出たりする。これが、最新のニーダーでは起きない。
バンバリーの方が性能が悪いように見えるが、どのみち3分程度しか混練しないので、バンバリーで十分なのだ。すなわち、ゴムの混練で重要なのはロール混練で、コンパウンド性能はこのプロセスで決まる。
カテゴリー : 一般
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