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2026.03/08 明と暗(1)

昨日研究所のOA化のために80万円のローンを「させられた」、と書いた。経緯を詳しく説明すると、怪しげなベストセラーの本のおかげで16万円のマイコンでOA化ができると勘違いした研究所長の鶴の一声でOA委員会が組織されたためである。


当方の上司がOA委員長となり、当方は入社2年目でありながら事務局を任された。そして、薬品管理をまずやってみよう、と委員会で決まり、当方にプログラム開発の仕事が回ってきた。


研究所には当時マイコンなど1台も無い環境で、当方は業務で多変量解析をしたい時にはIBM3033を使用していた。その使用料さえ節約するように言われていた。


そのような状況でマイコンを1セット購入してほしい、と希望を出したら、見積もりを持ってこいと命じられたので、100万円の見積書を提出した。この時、16万円ではないのか、とその見積書に疑問を持たれた。


プリンターなど周辺機器が高い、と説明したら、秋葉原なら安いのではないか、と言われ、秋葉原まででかけて、80万円の見積書とローン申込書を準備した。


ローン申込書まで準備したのは、プログラム開発に使用可能なパソコンが1台もなく、万が一の時には自費で購入しなくては仕事ができないと判断していたからである。このような判断が求められたのである。


上司に見積書とローン申し込み書とを提出したところ、ローン申込書の保証人の欄に印を押され、自分で購入しなさい、と簡単に言われたのである。ここで、購入するかどうかは、当方の判断となるのだが、購入手続きを進めたので、当方の責任となる。


しかし、業務の流れから、これは「させられた」と同じ状態である。新入社員時代の暗い出来事だが、この80万円のローンにより、1年間は遊ぶことができず、ローンで購入したマイコンと格闘する日々となった。


その結果、アセンブラーからFORTH、PASCALまで学ぶことができた。また、多変量解析のシステムをこのマイコンに構築でき、ローン期間中に背水の陣でデータサイエンスについて当時知られていた最先端の解法についてプログラムを組むことができた。


データサイエンスの独学はこれがきっかけで始まっているので、今から振り返えれば上司に感謝しなければいけない、と思いたくなる時もある。


ただし、初任給10万円であり80万円でカローラDXが1台買えた時代の話である。当時のDXはデラックスの略である。今はデジタルトランスフォーメーションをDXと書く。


サービス残業など平気で命じる上司が多かった時代であり、会社の仕事を行う時に個人に負担を求めることが常態化していた。例えば、マイコンが普及し始めたときにFDを個人で用意する必要があった。


この頃を思い、昨日のニデックの問題を考えると役員へのパワハラは、個人の財布に負担を求めているわけではない(注)ので、まだ優しい出来事に感じてしまう、がこれではだめだろう。


ただし、自己実現目標さえ持っておれば、パワハラだろうが何だろうが理不尽な出来事も将来に活かせるよう転化できるのではないか。ニデックの役員にそれがあったかどうか。


材料開発を仕事にしたいとおぼろげながら夢見たときに、第一次AIブームでコーリーの逆合成が話題になっていた。また、世間ではデータサイエンスの講座設立ブームだった。データサイエンスをどのように材料開発に活かすのか、具体的なビジョンがあったわけではないが、このローンの出来事や明日の始末書騒動は、その糸口をつかむ機会となった。


(注)パワハラは今の時代、絶対にダメである。会社の業務を行うためにパワハラを行い労働者に金銭を負担させるのは、もはや事件である。しかし、昭和の時代に一流会社でも日常平然と行われていたのである。これはバブルがはじけるまで続く。

カテゴリー : 一般

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