2026.05/08 実験データは企業資産(1)
研究開発における実験の効率化において、設備や装置のLA化が進んでも十分にDXされたとは言い難い。それらは、ただ省人化されたにすぎず、研究開発期間の短縮化に結び付いていない。
科学的に実験を進める限り、実験にかかる時間は、コンピューターの導入によっても思ったほど短くならない。
以前この欄でコンパウンド工場を3カ月で建設した話を書いているが、社内のQMSに従い、デザインレビューも所定の回数だけでなく、工場建設や量産移行に至る手続きもフル実装しての成果である。
コンパウンド技術があっても、工場を新しく建てるならば、短くても1年半はかかる。当然社内に疑惑の目を向ける人物も出てくる。たまたまゴム会社から転職してきた若手がいて、当方の進め方の問題をセンター長に報告したので、当方はセンター長への説明のための余分な仕事が増えた。
センター長とは阿吽の呼吸で進めようと合意していたのだが、やはり疑惑の提言があれば、会議を開いて進捗チェックを行わなければいけない。
疑惑はカオス混合機に対してだった。研究データが無いのに作り始めている、というのが、その中身だが、それに対して、PPS/6ナイロンが相溶したデータなど示して、科学的にありえない現象が起きているので、経験知で行うより仕方がないことを説明している。
そして、清水の舞台から飛び降りる覚悟で一発勝負で作成した(実際には1発勝負ではなく試行錯誤のデータがあった)設備で相溶が起きていることを示す実験データを示して、若手にも無理やり納得していただいた。
もっとも説得力があったデータは、できたばかりのカオス混合装置を用いたコンパウンドで押出成形を行うと歩留まりが100%となった現場の生産管理結果である。
カテゴリー : 一般
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