2026.05/10 実験データは企業資産(3)
5年以上の半導体無単ベルト押出成形技術開発で生み出されたExcelファイルは、10000以上ファイルサーバーに眠っていた。これらのコピーを専用のディレクトリーに集め、専用に作成したC#プログラムにより実験で得られた生データ(以下実験生データ)と会議用にまとめられたデータとに分けた。
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驚くべきことに、半分以上が実験生データを基にして加工されたデータだった。実験生データをコンパウンドのロットごとに分類整理したところ、奇妙なことに気が付いた。
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3割のロットについて、重複して成形実験が行われていたのだ。この3割の実験生データを集めてさらに解析したところ、大別して3通りの実験が行われていたことが分かった。
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実際の実験では3通り以上だったかもしれないが、C#でプログラムを作成し、解析した結果が3通りだった。そこで3通りに分類し、ファイル数を数えたところ、そこに規則性が見られなかった。
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どのような実験が行われたのか、一つのロットについて、実際のExcelファイルの中身を比較したところ、「仕様から大きく外れた成形体が得られたので、成形を中断」とコメントが書かれていた。
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ただし、1000本成形を行って、得られた半導体ベルトを再度粉砕して混練しなおし、実験を行っているケースもあった。
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このように、実験生データのファイル数において精査したところ、1.成形されたベルトを回収して粉砕、ペレタイズして再度押出成形したケース、2.押出成形を中断し、後日押出成形をやり直したケース、3.複数のロットを混ぜて押出成形したケースなど、外部から購入されたコンパウンドをそのまま実験していないケースが見つかった。
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担当者に尋ねたところ、コンパウンドが高価なので、成形条件検討用に再利用した実験を行っていたことなどを説明してくれたが、これらは参考データとして処理され、その後の会議用データには使われていなかった。
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1万件以上のExcelファイルをC#でプログラムしたファイル分類ツールで、とにかく全部を読み切ったところ、デザインレビューの報告書に記載されたデータはチャンピオンデータである可能性が高く、歩留まりは開発当初には問題となっていたことが分かった。
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しかし、押出条件の調整で半導体無端ベルトの周方向における抵抗ばらつきが大きく変動させることができたので、抵抗がばらつき始めたら押出条件を変更して対応できるだろうという見通しで開発が進められた。
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すなわち、半導体ベルトの面内抵抗均一化という問題は5年間放置されてきて、一度も押出成形で歩留まりを70%以上達成したことがなかった。量産移行のデザインレビューでは、歩留まり向上策が重要課題とされたが、量産試作段階で簡単に解決できる問題ではないことに誰も気がついていなかったようだ。
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カテゴリー : 一般
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