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2026.06/10 AIとデータ(4)

1970年代の日本では、第一次AIブーム終焉と同じころに情報工学科設立ブームが起きている。1960年代に起きた研究所設立ブームに続き、1970年代には科学的研究がブームとなり、企業の学会活動も活発な時代だった。

このように日本では大学の情報工学科設立ブームと企業の科学的研究ブームが同時代に起きている。このような状況で、TRIZは大きなブームとはならなかった。その後USITに発展しているが、この流れは今や主流になるとは思われない。

そもそも、コンピュータを使って問題を解く発想からAIが生まれている。だからTRIZが1980年代にセミナーの題材になったりしているのだが、TRIZの欠点は、当たり前の結論しか得られないので大きなブームになっていない。

科学も進歩して形式知が溢れてきたので、科学的に考えると当たり前の答えしか得られない時代になった。そのような時代背景ゆえに、MIが普及したのではないか。当方が社会人になった時、タイヤ開発では多変量解析を用いた材料開発が行われていた。

それを研究所では馬鹿にしていたのだが、当方は日科技連の研修を1年間受けて、人事部からその成果を職場で活かすようにと言われ、真面目に多変量解析の活用に努力していた。ゆえに研究所ではいじめられた。

電気粘性流体の耐久性問題を主成分分析で解いたところ、データ用FDを壊されたり、机の上に尋常ではないナイフが放置されていたりした。それを本部長は隠蔽化したので、危険を感じて転職している。

そのような体験があったので、MIが登場した時に冷ややかにその光景を見ていた。しかし、アカデミアの若い研究者が弊社のセミナーを希望されて、質問を受け驚いた。深層学習を使うことがMIと勘違いしている現実である。

パーセプトロンを用いる回帰や分類がMIではないのだ。多変量解析でモデルを作成し、そのモデルで回帰や推定を行ってもAIとなるのだ。そもそも第二次AIブーム迄のAIは専門性の高いAIのブームだった。

パロディーではないが、3年前に日本化学会年会で50年前にMIで解いた高分子難燃化問題を深層学習で解いてその比較について議論している。多変量解析では系のモデル化に少し工夫を要するが、回帰における信頼度は深層学習と変わらない結果が得られた。

高分子の難燃化技術では、現象に潜む機能と制御因子とが単相関するケースが多い。多変量解析では、そこに着目しモデル化するコツが要求される。

それが今、どのような問題でも解いてくれるAIが登場したのである。TRIZやUSITなどゴミ箱行きであるが、専門性の高いAIは、今でも用途がある。SAASの死と言われているが、システムの変更で生き延びることも可能である。

ところで、今の生成系AIは、人間の暗黙知を真似ることはできないが、科学の体系が完成していない分野の問題でも解答を出してくれる。それが、科学的に正解かどうかは別として、データ駆動により可能性のある回答をしてくるのでアイデア創造マシーンとして活用できる。

ただし、これは当方が編み出した活用方法であり、平凡なプロンプトでは、科学的に平凡な解答しか得られない。生成系AIが非凡な答えを生成した例として、兄弟げんかですぐに警察が現れた騒動が最近起きている。

自相などの公務員が民事に対して動きが鈍い問題が言われてきたのに、AIを使ったところ瞬時に警察が現れ逮捕したのである。

ワイドショーで専門家は、被害者の質問に対して当たり前の答えであると説明しているが、本当に当たり前かどうかは、視点により変わるのではないか。虐待で子供が死亡したニュースがつい最近でも報じられている。

即日逮捕は当たり前ではないのだ。人を殺した、と言って現れた犯人を取り逃がし、死体で見つかった事件がつい先日ニュースになっている。

先日オープンAIがCodexの劇的性能改善を発表したが、AIの社会実装スピードも速い。最大の問題は、AIがデータ駆動で動いており、質問さえもAIにとってはデータなのだ。この意味を理解しないでこのまま社会実装が進むと頓珍漢な問題が多発するようになるかもしれない。

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