2026.06/13 燃焼時のドリップ防止技術(2)
そもそも当時1000万円もかけてLOIを自動測定しようとした発想は、自動測定により人手によらず、再現性が上がると考えたところから生まれている。すなわち、LOIはばらつきが大きいので、測定を自動化すればそれが小さくなると期待したようだ。
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燃焼という現象と高分子材料の均一性という特性を少し考えたならば、評価技術でばらつきが生まれるのは仕方がないことに気づく。ただし、LOIは手動で注意深く計測すれば、サンプルのばらつきが小さい時に偏差0.5未満の値を得ることも可能である。
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すでに大学院生時代に近所の女子大の被服科でLOI装置を借りて実験していたので、LOIで生じるばらつきについてその原因も含め理解ができていた。偏差を0.25以下にするテクニックも存在する。
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ところが、面白いことに自動化されたこの装置で計測すると、偏差が0.5以上になる時がある。詳細を省くが、これは着火からLOIの決定を全自動で行っているためである。
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着火後の溶融物が、燃焼挙動に影響を与えた時の測定の工夫を機械による自動測定ではできないためである。今ならばAIで制御する、ということもできるかもしれないが、8ビットマイコンが登場したばかりの時代である。
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ちなみに、着火した時に溶融が激しく生じたならば、おおよそのLOIを見積もって、その値近傍で評価する工夫が必要である。しかし、当時の自動化技術では、人間のこの融通性を再現することが不可能だった。
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さらに、その仕様を誰が決めたのか知らないが、LOIの低い値から漸次酸素濃度を高めてゆく制御になっており、LOIが30以上の高い資料について、測定できない可能性があった。
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このような仕組みだったので、溶融現象のばらつきの影響をうけて自動化装置ではLOIの偏差が大きく現れる。これに気づけば、手動で計測した方が良い、と普通の人なら考えるのではないか。しかし、科学を唯一の哲学として盲信的に信じていた研究者は、そのような考え方をするのは職人だと決めつけてきた。
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