2026.07/02 個の力
FIFAワールドカップ2026は、ブラジルに2対1で日本が敗退して終わったが、ブラジルが先制点を許すほど日本の実力が上がっていることを各種メディアは報じている。終わってから2日経過しても関連ニュースが飛び込んでくるので異例である。
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また、今回本田圭佑氏の解説も話題になった。この本田氏によれば今後に向けて、日本チームが強くなるためには「個の力」を今以上にあげなければならないという。
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当たり前のようで、また奇異でもある。今回の日本チームは特にチームワークによる守備力が指摘されたりしていた。また、サッカーは、個の力よりもチームワークのスポーツという認識があった。
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経営者の中には、サッカーを引き合いに出して、組織のチームワークの重要性を説く人もいた。すなわち、野球のような個の力が勝敗に影響を与えるような活動ではなく、サッカーのようなチームワークが研究開発では要求される、という言い回しである。
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組織でチームワークが要求されるのは当たり前である。そのようなことを説いていてもイノベーションが起き始めている今という時代を生き残れない、と聞きながら思ったものである。
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また、日本ではとかくチームワークが昔から強調され、個の力は軽視されてきた風土である。それを本田氏は躊躇なく「個の力」の重要性を強調したのだ。
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当方はこの発言が今の日本の研究開発で重要な意味を持つ、と感じている。それは自分の体験からも、日本の組織では上下関係が重視され、個の力は軽視どころか抹殺されてきたと思っている。このような強い表現にしているのは、当方が転職した理由とも関係している。
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転職理由についてはこの欄で過去に書いている。FDを壊されたり、机の上にナイフが乗っていたりと、まさに殺されそうな恐怖を感じている。ゴム会社の12年は、転職時ほどひどくないにしてもいじめられ続けた事実が証拠とともに残っている。
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それは、特許や発表論文の筆頭の名前に真の発明者である当方がなるべき立場だったが、させてもらえなかった。ただ、ホスファゼン変性ポリウレタンフォームの工場試作に成功した時の始末書は、当方単独の名前にされた。
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その結果、当方が執筆した論文を社外発表するときに、当方は始末書に続いて筆頭になった。これは、始末書を書いたのが当方なので、論文で筆頭になっていないのはおかしい、といった説明に、論文投稿時に主任研究員が同意してくれて、他の方を調整してくださった。
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その他、ややいびつな展開の証拠だが、趣味で仕事をやるな、と当方を叱責していたこの上司が、マテリアルズインフォマティクスで開発したホウ酸エステル変性ポリウレタンフォームを高分子学会の「崩壊と安定化研究会」に発表者として推薦してくださった。
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何やかやとこの上司の元で3年近く仕事をしたが、誰も解決できない仕事をいつでも当方に相談してくださった。ただし、成果が出ても褒めてもらえないどころか他の人の成果になったが。また、あれだけ成果を出しても査定が標準であり、さらに無機材研留学中に昇進試験に落とされている。
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ただし、この昇進試験に書いた内容について、無機材研所長から実証機会を頂くという運が向いてきた。そのときに、この上司は快く実験室の使用を許可してくださったので4日間で実証でき、翌年同じ内容を書いた昇進試験に100点がつき昇進している。
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今思い出すと、この上司は常に当方を崖から突き落とし、個の力を磨いてくださったのでは、と考えるようになった。それは、電気粘性流体を担当させられた時の奴隷のような扱いとは異なっていたからである。
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部下としての扱われ方の評価は、年を重ねないとよくわからないのかもしれない。しかし、電気粘性流体を担当したときにはひどかった。当方含め3人が転職している。
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