2026.04/22 研究開発プロセス(4)
驚くべきことに、新入社員テーマの発表資料までできていた。但しそこには、当然であるが、各種物性値は書かれていなかった。
ただひたすら指導社員が用意された樹脂とゴムを混練し、シミュレーションの検証を行うとともに、指導社員の開発されたゴムについて耐久試験を行い、発表資料に書き込むだけだった。
配属されて1カ月が過ぎた頃、研究所の組織が変わるとのうわさが流れた。指導社員から、年末近くになると年中行事のように組織編制の話題が上るが、今年は早いとのことだった。
しばらくして、当方の配属されていたグループが解散する、という噂まででてきた。指導社員は、新入社員テーマは防振ゴム開発チームが成果を期待しているテーマなので、当方が一人で担当することになるかもしれない、と話してくれた。
そのうち、当方の異動先に関する噂が飛び込んできて、高分子の難燃化技術が新たな新入社員テーマになるらしい、と指導社員は噂話を基に話してくれた。
ある日、主任研究員に噂話の真偽を尋ねたところ、ここだけの話として、グループの成果が何もないので年内にテーマをまとめて欲しいと言われた。
そこで、新入社員2年間は残業手当も休日手当もつかない規程であることを承知の上で、定時退社の日常を改め、サービス残業と休日返上により、年末までに技術を完成している。そして、その過程で新たに見出した形式知とも呼べる新現象を研究報告書にまとめている。
この研究報告書には、多数の様々なサンプルの物性データをグラフ化し、グラフと現象を対応させて仮説設定し、それを確認するための計画外の実験も行って、その結果をまとめている。
カテゴリー : 一般
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