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2026.04/21 研究開発プロセス(3)

指導社員の指導は、少し変わっていた。毎日午前中が座学であり、午後は実験室で混練の実務を自由に行う習慣となっていた。最初の1週間は安全教育も兼ねて午後も指導社員が横についての混練作業だったが、10月中旬になると、午後は自由時間となった。

午前中の座学は、指導社員が開発された樹脂補強ゴムに関する内容が大半だった。驚くべきことに、すでに世界初の新材料が完成していたのだ。それがまだ防振ゴムとして未達の物性があるので指導社員が用意した様々な樹脂とゴムをブレンドし、より良いものを開発するのが当方の仕事だった。

これは、その後の当方の仕事のやり方に影響を与えるアジャイル開発の手法である。さらに、検討方法は、仮説を検証する方法ではなく、その後セラミックスフィーバーで注目されるコンビナトリアルケミストリーそのものであった。

仮説が立案されていなかったわけでなく、仮説に基づくシミュレーションが完成しており、そのシミュレーション結果の検証作業に相当するような仕事が当方の新入社員テーマだった。

すなわち、当方の仕事では、肉体労働がほとんどであり、知識労働者としての仕事は何も無いような状態になっていた。もっとも混練の知識やゴムの知識、高分子技術に関する実務知識など皆無の状態だったので、それにふさわしい指導社員として新入社員への「完璧な仕事の与え方」である。この指導方法も当時の研究所では批判されていた。

カテゴリー : 一般

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