2026.04/25 研究開発プロセス(7)
研究開発プロセスとして、一番最初の企画が重要である。この企画が曖昧なまま研究開発を進めると、研究が完了したときに、研究成果が事業に結びつかない。
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ドラッカーは、「常にそれが事業の何になるか考えて仕事をせよ」と著書に書いている。新入社員テーマとして担当した樹脂補強ゴムの企画は、後工程の担当者名も記入されていた。
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新入社員テーマは、人事部の所定のフォーマットがあり、それが研究所の企画書にもなっている、と当方は勘違いしていた。樹脂補強ゴムは1年間の計画が立てられ、最初の1か月は遅延なく進んだ。
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しかし、開始して1か月半経過したときに所属グループが解散する噂が本当であることや、主任研究員から、製品に搭載されるグループの成果は当方が担当しているテーマだけであることを告げられて、当方は焦った。
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指導社員は、計画通りできるところまででよい、と余裕に構えていた。そこで、サービス残業や休日返上で年末までにまとめる決意をして一人突っ走ったのだが、研究がまとまって後工程の担当者に成果を渡しても、指導社員は喜んでいなかった。
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テーマの引継ぎには、主任研究員と指導社員そして当方が出席したのだが、喜んでいたのは主任研究員だけだった。後工程の課長も部下の担当者も迷惑そうな顔をしていた。迷惑そうな顔をしていたが、試作してT社の評価をとりあえずしていただこう、と言われた。
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その後、後工程の開発成果としてT社の主力車種用エンジンマウントの採用が決まったが、それを伝えた社内報には研究所の成果という文字は無かった。ただしこれは2年後の話である。
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当時の研究所では噂通り、当方の最初に配属されたグループは年末に無くなり、主任研究員は特許部主査として人事異動、指導社員は、研究所内の他のグループで新テーマの企画を担当している。
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グループの他のメンバーは研究開発管理部へ異動し、ポリマー電池の企画を始めている。新入社員のころの記憶なので、成果が出ても何故グループが解散したのか不明である。
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当方は、高分子合成研究室へ異動となり、新しいテーマを担当することになったが、難燃性軟質ポリウレタンフォームの開発というテーマ名と後工程の担当者名は決まっていたが、中身は何も決まっていない状態で、新しい上司から世界初の高分子難燃化技術を開発してほしい、と発破をかけられた。
カテゴリー : 一般
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