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2017.08/05 PPSとPET(4)

PETは結晶化速度が遅いので、そのままでは射出成型が難しい樹脂である。ゆえに押出成形やブロー成型用樹脂として多く使用されてきた。PETを射出成型して良好な成形体とするためには、結晶化を促進する添加剤(核剤)を用いる。

 

核剤を添加したPETは、結晶化速度が速くなるので、射出成型が容易になるが、PCのように表面が良好な成形体を得るためには、特定の狭い領域の成形条件を選択することになる。

 

スパイラルフローなどを用いて成形条件を求めても大物の射出成型はそれなりの工夫が必要になる。すなわち核剤を用いても金型内を流動している間に結晶化速度がばらつき、表面状態がきれいにならない。

 

このPETにカオス混合を用いてある高分子を相溶させると結晶化度が少し下がるが、表面が良好な成形体が得られるようになる。しかも射出成型のOWも広くなり、PCと比較してもそん色のない成形性を示す。

 

 

カテゴリー : 高分子

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