活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2018.09/19 高分子の分類

高分子の分類について学生時代にはその重合様式で分類する方法が授業で採用されていた。すなわち高分子には合成高分子と天然高分子があり、合成高分子はこのような反応でできる結合で分類される、という説明がなされていた。

 

大学院に進学し、ホライデー著「Ionic  Polymer」を読んで衝撃を受けた。高分子は有機高分子と合成無機高分子、無機網目化合物に分かれるとしたその分類方法は大雑把であるが、主鎖を構成する原子の特徴に着目した分類であり、高分子の特徴をよく表している。

 

この分類を発展させれば、球晶を形成する高分子と形成しない高分子がその下位のカテゴリーになるのかもしれないが、残念ながら1970年代は、まだそこまで高分子結晶について学問が進んでいなかった。

 

同様の時期に、「工業化学」という雑誌にガラス転移点(Tg)に着目した高分子の分類が載っていた。すなわち、室温以下のTgを示すものがゴムであり、室温以上のTgを示す高分子は樹脂である、という分類である。

 

この分類に従うとポリエチレンはゴムに分類されるが、シリコーンレジンの大半もゴムとなる。分類上はゴムなのに樹脂と呼ばれるのは何故だ、という突っ込みたくなる分類であるが、実務上はわかりやすい分類である。

 

ちなみにこの分類で、TPEはゴムと樹脂のコポリマーと説明され、両者を含む形で中間を占めていた。ご存知のようにTPEは当時すでに樹脂補強ゴムやPUが登場しており、ゴムと樹脂のコポリマーだけではなかった。

 

だから、ここまで説明されると、この分類もボロが出てくる。ホライデーがざっくりと3分類でやめた事情とはいささか異なり、この分類を考えた人は高分子を理解しているのか、という疑問を持ちたくなる。

 

2000年ごろ、高分子精密制御プロジェクトという国研が推進されたときに、スケールから整理した高分子の分類が示されていた。やや複雑であったが、高分子をうまく分類整理できていた。

カテゴリー : 一般 高分子

pagetop