2019.09/06 高分子のプロセシング(42)
1493年にコロンブスによるインディアンラバーが発見されている。いつ頃か不明だが二本ロールでゴムを練ることは行われてきたらしい。
1839年にグッドイヤーによる加硫ゴムの発明以降加硫剤のブレンドのためにゴム練り機の改良がなされた。
1909年にダンロップにより加硫促進剤が発明され、1916年にはバンバリーによりバンバリーミキサーが開発された。
タイヤに用いられる高性能な加硫ゴムについて基本的な混練プロセスは、今日に至るまでバンバリーミキサーによるノンプロ練り(プロ練り前に行う練り)と二本ロールによるプロ練り(コンパウンドとして仕上がる練り)から組み立てられている。
1980年ごろから生産性の向上を目的として連続式混練機の導入が検討されてきたが、高性能加硫ゴムについては、すでに述べたようにバンバリーと二本ロールの組み合わせによるバッチプロセスが今でも使われている。
ちなみに、熱可塑性樹脂では、高分子同士のブレンドよりも一次構造の設計が優先されて様々な熱可塑性樹脂が開発されてきた歴史がある。
ゆえに、混練技術に期待されたのは顔料程度の添加剤さえ分散できればよかったので単軸押出機を中心に連続式混練機で混練する技術が発展してきた。
熱可塑性樹脂でポリマーブレンドが広く注目されたのは、1954年にU.S.Rubber社によるABS樹脂の事業化以降である。
そして、押出機の性能向上と同時に1980年頃から二軸混練機という呼び名も一般的になってきた。本書では特に断らない限り、混練に使用する押出機はすべて混練機という呼び名を使用している。
ポリマーブレンドで一般に用いられている二軸混練機でもその呼び名に決まりは無いので、二軸押出機という呼び名ですべて統一している技術者もいる。
連続式混練機の混練能力が低かった1970年頃までならば、それでも良かったが、最近では高性能な混練技術も登場してきたので、混練目的に使われる装置は押出機ではなく混練機と呼び区別すべきだろう。
カテゴリー : 高分子
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