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2021.05/09 クラシック音楽と科学

以前この欄でバッハが平均律を発明した話を紹介している。今クラシック音楽と言えばこのバッハから始まる一連の体系らしきものが存在する音楽である。どのような体系かは音楽の専門家ではないので書かないが、他方でビートルズなどで代表される現代音楽というものが存在する。

面白いのは、バッハの時代に5線譜やその他の音楽記号の原型ができており、楽器でそれを演奏するときに作曲された当時のままの再現ができそうにみえるが、それができないので指揮者が重要な役割を担うことになる。同じ曲でも指揮者により解釈が異なってくるので「誰それの指揮が優れている」といった評論が音楽雑誌を彩ることになる。

クラシックの形式知はそれゆえ科学ほど厳密ではないと思われるが、楽譜を読み取り指揮者と細やかな議論を進めるクラシック音楽の演奏家の世界は、ジャズやロックの演奏家の自由な表現スタイルとは大きく異なる。音楽の形式知を一通り理解していなければ、クラシック音楽の演奏家にはなれない。

クラシックの世界の演奏家がジャズやロックの世界で一流になるのは容易だが、ジャズやロックの世界からクラシックの世界に異動するのはかなりの努力が必要と思われる。

小中学校の音楽のテストは毎回頑張っていたので、当方も楽譜を読むことができる。ところが学生時代に著名なジャズの演奏家と話す機会があり、びっくりしたのは楽譜を読めなくてもジャズの演奏家になれると言われたことである。冗談かと思ったら、その日の演奏の楽譜には五線譜は無く、ただコードと簡単なメモだけが書かれていた。

それを見たときに明らかにジャズの世界とクラシックの世界の違いに気づくとともに、クラシックの世界が科学に近く、ジャズやロックは職人ではなく技術の世界に近いと感じた。

カテゴリー : 一般

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